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 ソフトバンク寺原隼人投手(29)が古巣復帰1勝目を、自らと家族の「良薬」にする。今日1日から首位西武との3連戦(ヤフオクドーム)に先陣を切って先発。4月30日は同球場での投手練習に参加した。「早く勝ちたい。それが一番、心の落ち着く薬だと思う。家族も早く安心させたい」と、はやる気持ちを抑えるように語った。初先発となった前回4月24日の日本ハム戦は4回途中5失点でKOされた。

 家族のことを口にしながら、小学2年になった長男が頭に浮かんだ。オリックスからFA移籍に伴い、福岡の小学校に転校したばかり。寺原はパパの顔になって言う。「友達に『お父さん、この前ダメだったね』みたいなことを言われたらしい。関西だとオリックスより阪神ファンが多いけど、福岡の小学生はホークスファンが多いから。子供なりに悔しかったみたい」。

 愛息に1勝を届けるため、投球内容も修正を図る。「前回はツーシームを投げすぎたのが一番の反省。球速のメリハリがなかったし、もうちょっとうまく緩急も使いたい」。高山投手コーチも「前回は結果を残したいということでこぢんまりしていた。もっと大胆にやってほしい」と変わり身に期待した。

 パの貯金を占拠する西武に3連勝なら、一気に2差に縮まる。独走を許すわけにはいかない。寺原も分かっている。「調子がいいバッターが多いみたいだけど、やるべきことをしっかりやる」。一家とチームの柱として、先発の責任を果たす。【大池和幸】