二刀流ルーキーが「スターの系譜」を引き継ぐ。日本ハム首脳陣は大谷翔平投手(18)の1軍投手デビューを、本拠地・札幌ドームの試合に絞って検討していることが13日、分かった。かつては現レンジャーズのダルビッシュや斎藤ら、注目のドラフト1位ルーキーも同様に地元でデビューし、勝利を飾ってきた。「投手・大谷」のプロ野球人生も、多くのファンが後押しする北海道から幕を開けることになりそうだ。

 大先輩と同じ道を歩む。「投手・大谷」の1軍での第1歩は、北海道からスタートする可能性が高まった。栗山監督をはじめ日本ハム首脳陣は、投手としての1軍デビュー戦を本拠地・札幌ドームでの試合に絞って検討している模様。05年のダルビッシュ、11年の斎藤も、本拠地デビューで初登板初勝利を飾っている。大谷もまた、注目ルーキーの系譜をたどることになりそうだ。

 今日14日からの交流戦に野手として同行している大谷は、あさって16日のイースタン・リーグ西武戦(鎌ケ谷)に先発登板することが決まっている。黒木投手コーチは「良ければ5回。まずは長いイニングを投げられるかどうか」と話し、90球をメドにプロ入り最長の登板となりそう。本格的な先発準備に入ることになる。

 登板後は1軍に再合流するが、次々回登板は再び2軍戦の予定。二刀流ならではの厳しい日程だが、この日も名古屋市内のジムで個人練習を行った大谷は「移動中はけっこう寝ていますので、疲れはないです。休む時は休む、動く時は動くというように、時間を無駄にしないようにしたい」と力強い。

 注目の1軍投手デビューは、まずは2軍戦で結果を残し、先発としての準備がしっかりと整えることが最低条件。ゴーサインが出た段階で、体調不良で戦列を離れているウルフや右肩手術からの復活を目指すケッペルらの復帰と調整しながら、本拠地デビューのタイミングを計ることになりそうだ。

 打者としては14試合に出場し、打率2割8分6厘、3打点と奮闘。「いい投手とやらせてもらって、数多く打席に立たせてもらっている。自分の投球にもつなげられるように、1つ1つ反省したい」。ダルビッシュ、斎藤がつないできた本拠地デビュー戦勝利のストーリー。実現すれば、大谷が新たな1ページを刻む。<ダル&斎藤の本拠地プロ初登板>

 ◆ダルビッシュ

 05年6月15日広島戦で完封目前の9回に2本塁打を許して降板したが、9安打2失点で初登板初勝利。高卒ルーキーでは、99年の西武松坂以来12人目の快挙だった。

 ◆斎藤

 11年4月17日ロッテ戦でプロ初登板初勝利。1回に井口に先制2ランを浴びたが、5回6安打4失点、自責1にまとめた。打線の援護に助けられ、新人では勝利投手一番乗り。