吉村先生に“セ界史”を習おう。ソフトバンク吉村裕基外野手(28)がセ・パ交流戦のキーマンに浮上した。今日14日の広島戦で開幕。相手先発の前田健にチームは過去2試合17イニングで2得点に抑えられ、勝てていない。その難敵を前にしてもこの男だけはケロリとした。

 「確か2年前、春先に本塁打を打ってますよね。いいイメージとまではいかないが、本塁打を打ってたらそういうイメージを持てる。悪くはないですよ」

 昨年までDeNAに在籍し、実に10年間、セ・リーグでプレーした。相手の特徴や狙い目など“セ界史”は頭にある。中でも前田健は得意ジャンルの1つ。通算22打数8安打9打点、4本塁打、打率3割6分4厘。08年は3戦連発もあり、めっぽう相性がいい。

 「いい投手ですね。セ・リーグというか日本を代表する投手。コントロールがいいですね」

 具体的なポイントこそ伏せたが、チームとして吉村の情報を生かさない手はない。笘篠コーチは「長年セでやっているし、ぜひやってもらいたいね」と、守備面も含めて交流戦での働きに期待した。

 今回の開幕はセ・リーグ本拠地でDH制がない。秋山監督は「ラヘアは一塁」とした上で、「柳田がフリーバッティングから調子良くない」と下降線をたどる左の大砲を心配した。一方、吉村は12日西武戦でも決勝3ラン。13戦4発と上昇カーブを描き、広島戦は柳田に代わって右翼で先発する可能性が高い。難敵攻略に今年は頼もしい先生がいる。【押谷謙爾】