二度あることは三度ある…では済まされない。DeNA池田球団社長が16日、コーチ陣に中畑監督の退場を阻止するよう命じた。前日15日の楽天戦(横浜)で判定に猛抗議した中畑清監督(59)が今季2度目の退場処分を受けた。これについて同社長は「熱くなる監督ですから、次に飛び出したら、コーチはすぐに(審判との)間に入ってほしい。止める役割も大事」と話した。

 抗議そのものを否定するわけではない。「選手と一緒に戦っている中で(抗議に)行かなきゃいけない時もある。自分が正しいと思うことは言うべきでしょう」と理解を示しつつ「ただ、ルールはあるし審判に触れてはいけない」とクギを刺した。ベンチ内に監督が不在となる試合が増えれば、チームに悪影響が出る。さらに、この日に加藤コミッショナーから科された制裁金は、前回の2倍となる40万円だった。3度目があれば、さらに厳罰となる可能性もある。Aクラスの3位に踏ん張っているチームの士気にかかわってくる。

 そのために必要なのがコーチの制止というわけだ。抗議する場面があったら、中畑監督と一緒にベンチを飛び出し、審判に触れないよう、また抗議の制限時間となる5分を超えないよう注意する必要がある。前日の退場シーン、二宮野手総合コーチはストップウオッチで時間を計っていたものの、体が触れることまで予想できなかったという。「5分を超えないように計ってたけど、2分くらいで退場になっていた。(手を出すことは)絶対やらない、って言ってたのにな…」。

 今後も戦いが熱くなるほど、監督の闘志もヒートアップしていく。同じ3度目なら、退場ではなく、球団史上3度目の優勝を狙いたい。【佐竹実】

 ◆15日楽天戦での中畑監督退場VTR

 2-3の6回無死一、二塁の守備で、楽天小山伸のバントを処理した捕手の鶴岡が三塁へ送球した。微妙なタイミングだったが、二塁走者の島内はセーフとなった。この判定に中畑監督はベンチを飛びだして猛抗議。このとき、橋本三塁塁審に体が接触したため、暴力行為により退場となった。