星野さんを仰天させる!

 16日楽天戦(Kスタ宮城)に先発予定の阪神ルーキー藤浪晋太郎投手(19)が、楽天星野監督を驚かせる投球を誓った。札幌から移動し、Kスタ宮城で練習した14日、仙さんから「大したもんや」と評価されたことを伝え聞き、テンションがあがった。楽天エース田中との投げ合う交流戦ラストをビシッと締めくくり、巨人とのマッチレースに弾みをつける。

 藤浪にとって、新たな発奮材料となった。敵将星野監督が称賛の言葉を並べ、自分のことをホメちぎっていた。

 星野監督

 甲子園で連投であれだけ勝ってきたんだ。打者を抑えるすべを知っているよ。大舞台を経験しているのは違うね。大阪のメディアはちやほやするけど、気にしていない。大したもんや。

 伝え聞いた大物ルーキーは、素直に喜んだ。「阪神の元監督でもいらっしゃいますし、球界を代表する監督さんにそう言ってもらえるのは光栄です」。投手の大先輩からの高評価。さすがに恐縮しきりかと思いきや、あとに続けた言葉が藤浪らしかった。

 「だからといって、試合になれば敵なので。星野監督さんを驚かせるようなピッチングがしたいですね」

 星野監督を仰天させるべく登板するあす16日の試合は、楽天エース田中との対決。同監督も「マー君との投げ合いで盛り上がるんじゃないか。球界にとってもいいことだね」と期待を膨らませた。

 だが、そんな周囲の熱い視線にも藤浪はクールだ。「尊敬するピッチャーの1人ですけど、試合なんで、そこは関係ないです。厳しい試合になると思いますけど、しっかり粘っていきたい。気合は入りますけど、だから自分のピッチングが変わるとかはあまりないです。ピッチャーと直接戦うわけではないので、気にしないというより、自分のピッチングがしたい」。相手は自分-と言い聞かせた。

 ここ2戦は勝ち星が付いていない。交流戦最終戦で大一番を制し、リーグ再開後に弾みを付けたい。藤浪にとっては被災地での登板も初。「実際に経験はしていませんが、テレビとかで見ていたので。しっかり東北の方たちにも勇気を与えられるようなプレーをしたいですね」。19歳がその右腕で日本のエースに立ち向かい、敵将をあっと驚かせる。【山本大地】