<オリックス4-8ロッテ>◇27日◇京セラドーム大阪

 ロッテ・セス・グライシンガー投手(37)のアクシデントに首脳陣が冷や汗だ。2回2死三塁、オリックス高橋信に3球目を投げた時だった。右腕は突如背中をさすり、ベンチに戻った。「つったような鈍痛を感じた」という。斉藤投手コーチは慌ててブルペンを確認し、伊東監督はそわそわして待った。

 「またか、ってのが頭をよぎったよ」と指揮官。キャンプから故障で出遅れ、今季初先発だった5月15日の巨人戦後も右肩痛で抹消されていた。春先から投げては「痛い」→2軍落ちの繰り返し。「次ダメなら今年はもう呼ばない」と与えたラストチャンスだった。

 結局マッサージで回復し、5回5安打2失点。それでも昨季12勝の稼ぎ頭が、ようやく先発2戦目で初勝利だ。伊東監督は「そのうち体中痛いって言い出すんじゃないか、それじゃ困るんだよ」と頭を抱えた。

 次回も登板機会を用意するつもりでいるが、まずは数日後の背中の状態確認が必須だ。お騒がせ右腕は「ケガが多くて、フラストレーションがたまるシーズンだ」と、嘆いたが、巻き込まれる周囲のヒヤヒヤも終わりそうにない。【鎌田良美】