<中日2-3広島>◇3日◇ナゴヤドーム

 また終盤にひっくり返された-。中日は24試合ぶりに帰ってきたナゴヤドームでも流れを断ち切れず3連敗。プロ初先発を目指して先発した2年目西川が6回途中1失点と力投も、中継ぎが逆転を許した。今季ワーストタイの借金11。95年以来、18年ぶりの2桁借金ターンとなった。非常事態を救うべく、新助っ人ワーナー・マドリガル投手(29)が明日にも昇格することになった。

 守道竜がまた逆転負けを食らった。2-1の8回。4番手高橋聡が踏ん張れなかった。無死一塁から菊池の打球を三塁手ルナがまさかのトンネル。二、三塁となったところで丸にレフト前へ逆転2点適時打を浴びた。テンポよく進んだ試合が暗転。プロ初勝利をつかみかけていた20歳西川の白星が幻になった。久しぶりの“わが家”なのに、不快指数は上がるばかりだ。

 これで3連敗となったが、3試合すべてが中継ぎ陣が踏ん張れずの逆転負け。山井のノーヒットノーランから始まり大野、山本昌、田島と先発陣は頑張ってるのに、なぜか中継ぎ陣がピリッとしない。試合後の高木監督も「私がダメだと言ってるのはそこ!」と顔を真っ赤にさせた。

 プレーボールから6時間前。高木監督、今中投手コーチはそろって2軍阪神戦を視察した。豊橋での4時間40分の試合から一夜明けて、わざわざナゴヤ球場に足を運んだその理由は?

 目的は2軍調整を続ける新外国人マドリガルや右肩痛からの復活を目指す浅尾らの状態をチェックするためだった。視察した2人のためにわざわざ先発した助っ人右腕は2回1失点。指揮官は「今中に聞いてくれ」とイライラだったが、今中投手コーチは「1試合、2試合投げさせる。そこで判断」。明日5日からのヤクルト戦で“1軍テスト”することを明かした。浅尾についても「理想はオールスター前」と前半戦中の1軍復帰も視野に入れた。

 今季の41敗中、逆転負けは17度。両リーグ合わせてヤクルト、西武に次いで3番目に多い。2桁の負け越しを抱えたまま前半戦を終えた。このまま指をくわえているわけにはいかない。【桝井聡】

 ◆ワーナー・マドリガル

 1984年3月21日、ドミニカ共和国生まれ。06年エンゼルス傘下のマイナーに所属し、08年にレンジャーズでメジャーデビュー。09年まで2年間の大リーグ通算は主に中継ぎで44試合48回2/3を投げ0勝2敗1セーブ、防御率6・10。6月19日、中日に入団。ウエスタン・リーグで4試合に投げ0勝1敗、防御率7・50。185センチ、113キロ。右投げ右打ち。