大どんでん返しでのパ・リーグ連覇を狙う日本ハムが、緊急補強を敢行した。メジャー経験を持つ左腕ジャスティン・トーマス投手(29=アスレチックス傘下3A)と基本合意に達したと8日、発表した。今季終了までの契約で年俸3000万円(推定)。最大借金10での最下位低迷から脱却して貯金1で4位浮上と上昇気配だけに、上位追撃のキーマンとして白羽の矢を立てた。

 手薄だった左腕事情を解消できる可能性がある、本格派の助っ人だ。球団関係者によれば最速148キロほどで、常時140キロ台をマーク。メジャーでの通算31試合の登板経験を持ち、今季はメジャー昇格の機会はなかったがア軍3Aで、主に先発で16試合登板とまずまずの実力派。変化球はシンカーとスライダー、チェンジアップを操り、マウンドで闘争心を前面に出す力投派として知られる。

 当初、今季中に外国人選手を補強する予定はなかったが、方向を修正した。近日中に1軍昇格予定だが右肩手術からの復帰を目指すケッペル、中継ぎのモルケンは背中と腰の違和感で2軍調整中と不安定。トーマスはかねて来日希望が強いこともあり、そのモチベーションも評価しての獲得になった。栗山監督は「必ず、ここ一番で力を発揮してくれる」と起爆剤に指名した。

 ◆ジャスティン・トーマス

 1984年1月18日、米オハイオ州生まれ。ヤングタウンズ州立大から05年ドラフト4巡目でマリナーズ入団。08年にメジャー初登板。10年にパイレーツ移籍。12年にレッドソックス、ヤンキースに移籍とア・リーグ東地区のライバルチームを渡り歩いた。今季はアスレチックス傘下3Aに所属。大リーグ通算は31試合24回2/3を投げて0勝2敗。191センチ、100キロ。左投げ左打ち。