阪神が来季へ向けて「4番補強」に乗り出すことが8日、分かった。8年ぶりのリーグ優勝へ巨人と首位争いを演じている和田阪神だが、さらなる強化のために大砲の獲得へ動きだす。中村勝広GM(64)が8月初旬にも渡米するプランも浮上。昨オフにもリストアップした元パイレーツのジェフ・クレメント内野手(29)らを再調査した上で最強助っ人を絞り込む。

 2年目の和田阪神は現在、首位巨人と3・5ゲーム差の2位につけている。西岡、福留の元メジャー組をFAで補強した上に鳥谷、マートン、新井がクリーンアップとして活躍するなどチーム力は充実している。ただ、球団はさらなる常勝チームづくりを目指し、来季補強へと動きだす。

 「相手が怖がるような、長打力がある4番打者が必要だと考えている」

 球団関係者によれば補強ポイントは「4番・一塁」を任せられる大砲だ。現在4番を務めるマートンはここまで73試合に出場して、打率3割3分9厘、7本塁打、44打点と申し分ない活躍を見せている。フロントもマートン残留へ全力を尽くす方針を固めた。DeNAのブランコや、ヤクルト・バレンティンのような圧倒的なパワーを持つ大砲とマートンが組めば、最強クリーンアップができ上がるというわけだ。

 主なターゲットは米球界になりそうだ。関係者によると早ければ今月末、遅くとも8月初旬にも中村GMが渡米するプランが浮上しているという。すでに渉外担当者も来季に向けた調査を始めている。昨オフにリストアップしたメジャー14発のジェフ・クレメント内野手(29=ツインズ3A)らを再び視察した上で、不動の4番を任せられる助っ人を絞り込む。

 また別の関係者によれば、水面下ではオリックスとの契約が今季で切れる李大浩、バルディリスの調査も進めている。李大浩は日本での実績も抜群で、4番一塁という補強ポイントにも合致する。バルディリスは三塁守備と安定した打力を計算できる。ただ、李大浩は高年俸、バルディリスは長打力不足と双方にハードルがあることも事実。あくまで米球界を最優先に来季の助っ人を考えることになりそうだ。

 鳥谷、マートン、新井兄弟と、すでにクリーンアップを打てる打者を抱えているが、さらなる強化を目指す。その視線の先には常勝軍団復活の野望がある。

 ◆虎の助っ人事情

 今季は投手がスタンリッジ、メッセンジャー、ザラテに加えボイヤーが途中加入。故障で出遅れたザラテ以外は1軍で活躍している。野手は4年目のマートンが主軸でチームを引っ張るが、4番候補として加入したコンラッドは打撃成績が振るわず、2軍で再調整中。