<ソフトバンク3-4オリックス>◇13日◇ヤフオクドーム

 今季14度目の1点差負けの後には「最下位」の現実が待っていた。ソフトバンク打線は6回までオリックス・マエストリに無安打。ノーヒットノーランの危機から、7回の猛反撃で1点差まで迫った。9回も平野佳を2死一、二塁と攻めたが届かない。3連敗。優勝した交流戦後、リーグ戦では5勝13敗、7月は2勝8敗の急降下。「踏ん張りどころだな。今が一番」。秋山幸二監督(51)は投打がかみ合わない現実をかみしめた。

 攻略のチャンスはあった。1回に2四死球で1死一、二塁。不安定な立ち上がりにもらった得点機だが、4番松田、5番長谷川が打ち取られた。「右打者がインコースを気にしすぎ。ああいう投手は早い回につぶさないと」と藤本打撃コーチ。もどかしい攻撃から、流れを奪われた。

 静かな指揮官から珍しい猛げきも放たれた。4回の攻撃前にベンチ前で円陣。普段は口を出さない秋山監督が「攻め続けろ。よそ行きの野球をしてる」と今季初めて声を飛ばした。松田は「監督があれだけ強い気持ちを持っている。選手はもっと強い気持ちを持って、形で表現しないと」。それが終盤の反撃だった。

 首位楽天とは7ゲーム差に開いた。球団では南海時代の1964年(昭39)に6ゲーム差を逆転したのが過去最大。デッドラインは越えたが、混パから脱落するわけにはいかない。秋山監督は「最初から集中して攻撃的にならないと。受けている」と言った。攻める軍団に立ち返って、最下位から逆襲する。【実藤健一】