あるぞ、守護神遼馬!

 売り出し中の2年目、阪神松田遼馬投手(19)にストッパーデビューする可能性が出てきた。現在、虎は守護神を固定せず、試合展開によって福原らベテラン勢を9回に投入中。中西投手コーチは松田の抑え起用について「ありえる、ありえる。(そういう展開なら)今のところは遼馬やろうな。勢いがある」と説明した。

 7月7日に1軍初昇格して以来、12試合に登板して防御率0・00。大きくビハインドを背負った場面から大きくリードした場面を経験し、今では当たり前のように接戦で起用される。8日広島戦は両チーム無得点の7回に登板し、3者連続三振。10日中日戦は同点で迎えた9回、1イニングで2安打を浴びながら無失点で切り抜けた。首脳陣の評価はうなぎ上りだ。

 もちろん、優先順位は福原、久保、安藤らから。とはいえ条件がそろえば、守護神遼馬誕生の可能性は十二分にある。中西コーチは「打者との兼ね合いと、福原の連投の具合。そのへんは安藤も一緒やな。松田が連投続きだったら、久保が入る場合もある」と見込む。期待値は高い。

 オフだった松田は12日、鳴尾浜で冷静に話した。

 「僕は任されたところでやるだけです。自分のボールを投げて、ゼロに抑えられるように頑張るだけですから。もし、そういう場所で投げる機会をもらっても、これまでと変わらない気持ちで投げたい」

 疲労だけが心配だが「大丈夫です!」。19歳の笑顔が頼もしく映えた。【佐井陽介】

 ▼松田は現在12試合連続無失点を継続中。セ・リーグ最長は06年に阪神藤川が樹立した38試合。今季チームでは福原が15試合連続、加藤が14試合連続無失点を記録。松田はどこまで迫ることができるか。また阪神でセーブ投手となった最年少は、山崎一玄の20歳8カ月(93年4月15日ヤクルト戦)。松田が今季中にセーブを挙げれば、球団初の10代となる。