日本ハム大谷翔平投手(19)の投打「二刀流」が、さらにステップアップする可能性が浮上した。帯広で全体練習を行った16日、栗山監督が次回先発登板を見越し「投げさせた方がいいか…。(中継ぎ登板の)可能性はゼロじゃない」と、右翼からマウンドへ上げる夢プランを示唆。今日17日からのソフトバンク2連戦(帯広)は右翼でスタメン出場する予定だが、実現すれば「野手→投手」の起用は初の試みになる。

 二刀流ルーキー・大谷が、またひとつ球界に歴史を刻むかもしれない。右翼でのスタメン出場が予定されている今日17日からのソフトバンク戦で、中継ぎ登板する可能性が出てきた。帯広での2連戦を前に、栗山監督は「投げさせた方がいいか…。(中継ぎ登板の)可能性はゼロじゃない」と胸の内を明かした。

 当初は13、14日のオリックス戦(旭川)で、救援登板する予定だった。次回の先発登板は23日オリックス戦(京セラドーム大阪)となる見込みで、間隔が開くことからブルペン待機していた。しかし、2戦ともに1点を争う接戦となり、同監督も「延長に入れば考えていたけど、旭川のあの流れでは使えない」と起用を見送った経緯がある。

 その代替案として2軍戦での登板も検討されたが移動による身体的な負担を考慮して断念。そこで浮上したのが、野手として出場しながら試合の展開次第でマウンドに上がるプランだった。特に初戦は右肩手術明けのケッペルが先発で、早めの継投になりそうなことも後押ししたとみられる。

 ここまで投打で奮闘を続けてきた大谷は、6月交流戦の広島戦や7月のオールスター第1戦で、登板後に外野の守備に就く「本格二刀流」を経験済み。だが、守備からマウンドに向かうパターンは初めてとなる。大差がつくような展開にならなければ、再び登板は見送られることになるが、大谷は「準備だけはしっかりやれれば。(準備は)合間をみてやっていければいいです」と意欲を見せる。「ブルペンでは球数が投げられるし、実戦(登板)でしかできないこともある。どっちも大事」と出番が回れば、実戦マウンドを有効的に活用する考えだ。

 プランを実現させるためにも、まずは打席で結果を残し、チームのリードを広げることが先決。7日西武戦以来の野手でのスタメン出場となる大谷は「ブランクはないです。それは結果次第だと思う。よければ何も言われないし、悪ければ(出場が)開いたからだと言われる。しっかりと勝っていければ」と意気込んでいた。【本間翼】<投手→野手の二刀流起用>▼オープン戦

 3月21日=4●5楽天(東京ド)

 8回に「3番投手」としてマウンドに上がり、オープン戦初登板。最速157キロなど150キロ台直球を連発し、1安打2奪三振無失点に抑えた。その裏の打席では一ゴロに倒れ、9回は右翼守備へ。「いろいろなところで使ってもらって、すごく楽しかったです」▼交流戦

 6月18日=7○4広島(マツダ)

 交流戦最終戦で「5番投手」として先発。4回4安打3失点で2勝目ならずも、5回に遊ゴロでプロ初の勝利打点。その後は右翼守備に就き、チームの4連勝に貢献した。「今までのピッチングよりは疲れたけど(チームが)勝てたので、それが一番よかったです」▼オールスター

 7月19日=全パ1△1全セ(札幌ド)

 第1戦で5回から3番手で登板し、1回を2安打1奪三振無失点。プロ最速タイの157キロなど全13球が150キロ超え。降板後は「6番左翼」に入り、2打数無安打。「すごく楽しかったです。自分のプレーで(ファンが)何かを感じてもらえたらうれしいです」