<巨人3-2中日>◇30日◇東京ドーム

 中日は3連勝と勢いに乗って乗り込んだ東京ドームで、巨人投手陣に3安打に封じられて競り負けた。高木守道監督(72)は取り囲んだ報道陣を見渡し「何も聞かんのなら、俺が言おうか?」と自ら口を開いた。

 3連勝したヤクルト戦(神宮)で計37安打28得点と活発だった打線が、別人のようになってしまった。見立ては「今までにないことを3試合もやったもんで、打ち疲れたんやないの?

 昨日打ってないのが打ったでしょ?」。守道流の自虐コメント。まさにその通りの展開だった。

 出だしは良かった。前日29日に無安打で失策も犯した期待の2年目、高橋周が2回2死一塁から右翼に先制の4号2ラン。守道効果?

 が出た。実は試合前、同監督は期待を寄せる高橋周を話題に、報道陣に対して20分以上も熱っぽく打撃や守備の課題を次々挙げていた。そして最後に「周平が1本打ったら(報道陣に)焼き肉ごちそうするわ」とニヤリ。何とも変わった願掛け?

 をしていた。

 右膝故障で帰国したルナ不在などチーム事情もあるが、将来の主砲と大きな期待を込めて使い続けている。孫ほど年の離れている若武者の才能を買っている。29日の試合後には失策についても、あえて厳しく「あれじゃだめや。出しとれんぞと文句を言ったんや」。きつい言葉もかけていた。まさしく“1発回答”だったが、この本塁打以外、チームの安打は当たり損ねの内野安打2本だけ。何とも皮肉な結果となった。

 守道監督は、東京ドームの急な階段で「焼き肉、取られたな」とガックリ。もてなし好きな同監督は太っ腹。けちけちしているわけではないが、負けては面白いはずがない。勝った3位広島との差も2・5ゲームに。焼き肉はともかく、巨人打線に負けないパワーが今すぐ必要なのだが…。【八反誠】