ソフトバンクが、11年まで所属したオリオールズ和田毅投手(32)の獲得に興味を持っていることが27日、分かった。和田は同年オフにFAで米移籍したが、メジャーデビューすることなく、2年契約終了にともない退団が濃厚。ソフトバンクは2年連続でリーグ制覇を逃し、先発陣の整備が今オフ最大の補強ポイント。ホークスで107勝を挙げた左腕が日本球界復帰するケースに備え、調査を開始する。

 ソフトバンクが、かつて所属した強力左腕の獲得に興味を示した。球団関係者は「日本に復帰するなら、どの球団にとっても調査の対象になる。戻れるなら戻ってほしい。もともとはホークスにいた選手。実力はよく分かっている」と、調査を開始する考えを明かした。和田は02年ドラフトの自由獲得枠でダイエー入団。ローテの柱として9年間で107勝を稼いだ。

 11年オフにFAでオリオールズへ移籍したが、1年目の昨季は左肘痛で開幕をマイナーで迎え、5月に靱帯(じんたい)再建術を受けた。今季は3Aで19試合に先発も、残り試合で先発投手に入らないことが発表され、メジャーデビューを果たせぬ見通しのまま2年契約が終了する。

 来季は年俸500万ドル(約5億円)のオプションを持つが、球団に選択権があるため、メジャー契約で残留は厳しい情勢だ。本人の意思によっては日本球界復帰がありうる。肘の状態を含めて調査を進め、ソフトバンクが手を上げれば、古巣復帰の可能性も十分に考えられる。

 ソフトバンクが2年ぶりリーグ制覇を逃した最大の要因は先発陣にある。ここまで摂津は15勝と活躍も、他の投手は故障や不振続きでローテーションが確立できず。球団関係者は「ピッチャーは1人でも多い方がいい」と補強ポイントを語る。和田の獲得にはオリックスも興味を持っており、技巧派左腕の動向に注目が集まりそうだ。