ソフトバンクが村松有人スカウト(40)に入閣を要請する方針を固めたことが13日、分かった。ポストは3軍コーチが有力で、24日のドラフト会議後に要請する見込み。村松スカウトは小久保裕紀氏(42)が新監督となった日本代表にコーチで加わることが内定していることも判明した。

 V戦士が現場に復帰する。ダイエー時代は小久保氏らと3度の優勝を経験。03年にはダイハード打線の1番打者として打率3割をマークし、日本一に貢献した。FAでオリックス移籍も、08年にトレードで古巣に復帰。盗塁王に輝いた俊足と、それを生かした外野守備が持ち味だった。

 人柄にも定評があり、明るい性格のムードメーカーとして後輩選手から兄貴分と慕われていた。引退後の11年から現在まで2年間、東海・北信越担当スカウトに任務。コーチ歴はないが、野球に誠実に取り組んできた姿勢は若手の指導に生きると球団が評価した。

 侍ジャパンの小久保監督とは、10年1月に米アリゾナ自主トレに志願して参加するなど、現役時代から良好な関係だった。11月の台湾遠征のコーチ陣には日本ハム稲葉、元巨人の仁志敏久氏らフレッシュな顔ぶれが予想される中で、こちらも手腕が期待される。

 ソフトバンクの組閣は着々と進行中。1軍投手コーチに加藤伸一2軍投手コーチ(48)の昇格が内定した。小川史3軍監督(53)のヘッドコーチ就任と合わせ、来季1軍スタッフの陣容が固まった。入閣を打診していた山内孝徳氏(57=野球評論家)はファーム部門の投手コーチ就任が有力となった。早ければ秋季練習が始まる16日までに新体制が発表される。

 ◆村松有人(むらまつ・ありひと)1972年(昭47)12月12日、石川県生まれ。星稜で甲子園出場。90年ドラフト6位でダイエー(現ソフトバンク)入団。2年目の92年に1軍初出場。96年に58盗塁で盗塁王、ベストナイン。99、00年の連覇に貢献し、03年に2度目の日本一を達成したオフにFAでオリックス移籍。08年オフにトレードでホークスに復帰し10年に引退した。現役時代は177センチ、78キロ。左投げ左打ち。