<フェニックスリーグ:日本ハム1-2中日>◇27日◇生目第2

 来季へ大きく弾みがついた。日本ハム大谷翔平投手(19)が今季最終登板に臨み、7回3安打1失点、10奪三振、無四球と好投で締めた。同リーグ中は、投手重点で起用される来季を見据え、中6日、中7日の登板間隔で3試合に先発し、19イニングを投げて5安打わずか2失点。開幕ローテ入りへ、これ以上ないアピールになった。

 シーズンが終わることを名残惜しむように、大谷は腕を振った。最速は154キロ。中日福田のバットを、直球で真っ二つにへし折った。7回3安打1失点。2回以降に許した走者はわずか1人と、今季最後の登板を好投で幕引きした。「ランナーが出てからも良かった。1つ1つ成長できました」。晴れやかに「二刀流元年」を締めくくった。

 首脳陣を喜ばせる好投だった。投手の比重を大きくする来季へ向け、フェニックスリーグ期間中は中6日、中7日と、1軍ローテと同じ間隔で登板させた。6回無失点の12日広島戦、6回1失点の19日四国IL選抜戦に続き、この日も2回以降は奪三振ショー。4者連続を含む10奪三振で、公式戦でもなかった無四球のおまけつき。週1度の登板で結果を残した。「安定した投手が1人でも多く出れば、チームのためにもなる。そこに入れるように頑張りたいです」と、自信をのぞかせた。

 週1度の登板サイクルを経験したことで、ローテ投手としてのリズムもつかんだ。来季が開幕すれば、登板の合間に打者で出場することにもなるが「疲労も(今と)違うと思うので、その都度調整していきたいです」。投手として期待に応えながらも、両立を目指していく。

 30日からは沖縄・国頭での秋季キャンプに参加する。「体作り。その中で技術も上げていきたいです。そのときにしかできないことをやりたいです」。最低でも2ケタ勝利、そして打者でも勝利に貢献するために、大事なオフが始まる。【本間翼】