<コナミ日本シリーズ2013:楽天3-0巨人>◇第7戦◇3日◇Kスタ宮城

 最高殊勲選手はシリーズで2勝を挙げた楽天美馬学投手(27)に決まった。

 MVPは楽天美馬だ。またもや巨人打線を抑えた。中4日の先発で、6回を1安打無失点。第3戦は5回2/3を無失点に抑えており、2試合11回2/3を投げて、1点も許さなかった。

 お立ち台では「出来過ぎです。ホント、出来過ぎです」と最初は恐縮しきり。徐々に興奮は高まり「緊張はなかったですけど、昨日、田中がああいう投球していたので、チーム一丸となって日本一になろうと思い切り投げました。最高ですね。チーム一丸というか、球場がひとつになっていた」と続け、最後は「日本一になったぞー!」と絶叫した。

 初回のピンチを切り抜けたことが、チームに勇気を与えた。2死二、三塁から村田に四球を出しても慌てない。満塁としたが、坂本を中飛に仕留めた。2回以降は、シュートとスライダーで両コーナーを攻めた。カーブで緩急も駆使し、王者巨人を封じ込めた。

 ないはずの出番で好投した。前日はエース田中が先発。翌日の先発投手は試合開始直後に帰宅して、備えるのが通常の行動パターンだ。田中先発=勝利濃厚。よって、ビールかけに備えて、クラブハウスで待機していた。だが、敗戦。モニターに映る田中の姿に「この悔しい気持ちを僕がしっかりぶつけて、いい試合にしたい」と誓った。巨人杉内と中4日同士の投げ合いを展開し、勝った。3年目27歳。「世紀の一戦」を制した91球で、球団初のMVPに輝いた。【金子航】

 ◆美馬学(みま・まなぶ)1986年(昭61)9月19日、茨城県出身。藤代高2年の03年春にエースとして甲子園に出場し3回戦敗退。中大から東京ガスを経て10年ドラフト2位で楽天入団。公式戦通算3年の成績は64試合16勝16敗、防御率3・45。10月19日のCSファイナルステージ第3戦ではロッテを被安打4で完封した。169センチ、75キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸3100万円。