阪神が来季の新助っ人としてリストアップしている米大リーグ・ナショナルズのマウロ・ゴメス内野手(29)の獲得が秒読み段階に入っていることが5日、分かった。すでに大筋で合意に達しており、今月中にも発表となる見込み。また、主な守備位置は一塁であることも判明。正式に入団が決まれば、新井貴浩内野手(36)とガチンコ・バトルが繰り広げられることになりそうだ。

 球団幹部によれば、ゴメスとは大筋で合意に達しており、今月中にも発表できる見込みだという。

 「本人が日本志向ということもあるし(交渉は)大詰めの段階に来ている」

 来季へ向けて最大の懸案だった新4番問題にメドが立った。

 さらに、最も問題となるのは守備位置。事前の触れ込みでは一、三塁を守れるということだったが、三塁はほとんど守っておらず、主に一塁手であることが判明した。

 「一塁になるだろうな。三塁はどうしても、という時には守れなくもないだろうけど…」

 球団幹部の言葉が事実ならば、ゴメスは一塁固定で、来季はファーストをめぐって、新井とガチンコ・バトルを繰り広げることが濃厚。和田監督ら1軍首脳陣が来季の布陣をどうするかは、まだ不透明だが、新井は今季、スタメン出場したすべての試合で一塁。右肩の故障もあって、三塁は昨季から守っていない。

 今季加入した新助っ人コンラッドは三塁手だったため、新井との共存は可能だった。だが、球団は今季の打線に足りなかった長打力を第1条件にするため、三塁手だけでなく、一塁手にも補強ポイントを拡大して調査を進めた。結果、白羽の矢が立ったのが今季ブルージェイズ傘下3Aで29本塁打を放ったゴメスだった。新井は今季140試合に出場して、打率2割6分7厘、15本塁打、70打点の成績を残した。右肩痛のため不振だった昨季から復活を遂げた。特に得点圏打率は3割2厘とチームトップの数字を誇り、主に5番打者として、リーグ2位の原動力になった。

 新井か、ゴメスか。悩ましい問題を解決するためには守備にある程度、目をつぶって、ゴメスを三塁にまわす手段もある。だが、広い本拠地・甲子園で守備をおろそかにすることは命取り。やはり、超重量級のガチンコ・バトルが実現する可能性が高そうだ。

 ◆マウロ・ゴメス

 1984年9月7日、ドミニカ共和国生まれ。03年レンジャーズと契約。10、11年ブレーブス傘下を経て12年レッドソックスと契約。同年5月13日のインディアンス戦でメジャーデビュー。今年4月にブルージェイズ傘下、9月にナショナルズ傘下に移籍。一塁のほか三塁手としてのプレー経験もある。188センチ、104キロ。右投げ右打ち。