阪神上本博紀内野手(27)が“くせ者”に変身しようとしている。レギュラー奪取へ打撃フォーム改造に着手。中堅から逆方向への打球を増やすためにスタンスをオープンにした。

 「どちらかというとクロスするタイプの選手。懐を広げているんだよね。いいところは抜きんでて、いいタイプの選手だから弱点の克服だね。型にはめてはいけない選手。くせ者になってくれればね」

 和田監督も上本の変身ぶりに目を細めた。左翼方向へのパンチ力のある打撃が武器だったが、そこに相手が嫌がる進塁打や、右打ちの技術を加えようとしている。関川打撃コーチも「取り組んでいることは評価できる。確実性が上がれば、彼には足という武器があるわけだから」と、1、2番タイプの上本が、打線の中での役割をイメージしていることを評価した。

 「センター方向へ打つ意識です。今やっていることを続けていきたい」と上本も充実した表情。今季はケガに泣いたが、レギュラーを狙う力はあるだけに、取り組みの成果が楽しみだ。【鈴木忠平】