剛球を取り戻そう!

 これがMVP右腕再生のアサオミクス?

 中日のセットアッパー浅尾拓也投手(29)が28日、出身地の愛知・知多市役所を表敬訪問した。右肩痛の影響から本来の力を発揮できずにいる右腕は完全復活のために(1)シーズンフル1軍(2)150キロ復活(3)ホールドポイント王奪還の“3本の矢”をイメージした。

 アサオミクスは単純明快だった。景気回復はもちろんだが、41番の強肩回復は竜党なら誰もが抱く願望。地元の知多市役所を訪問した浅尾は、ファンの期待に応えるように復活のキーワードを口にした。

 (1)シーズンフル1軍

 今季は春先から右肩痛の影響でWBC落選。1軍登板は7月までずれ込んだ。結局登板は34試合に止まった。来季もっとも重視する目標は「1年間1軍にいること」。

 (2)150キロ復活

 「目指すところは常時150キロがでること」。右肩痛の影響もあり、ここ2年は直球の球速が落ちていると感じている。変化球を生かすためにも球速アップは不可欠。

 (3)ホールドポイント(HP)王奪還

 ホールド+救援勝利によるHP数の多い投手が「最優秀中継ぎ投手」となる。「記録を目標にやっていないけど、増やすことでチームに貢献できる」。浅尾は10、11年と2年連続で同賞を受賞したが、12年から巨人山口に明け渡した(今季は巨人山口、マシソンが受賞)。

 進化するために自身初の取り組みも進行中だ。10月には初めて山本昌、岩瀬らが通う鳥取のスポーツジム「ワールドウィング」を訪ねた。右肩の負担を減らし「しっくりくるフォーム」を研究している。浅尾が3本の矢を射ることができれば、新生ドラゴンズの未来も明るい。安倍首相が選挙で訴えていたスローガンのように、来季は強い浅尾を取り戻そう!【桝井聡】

 ◆愛知県知多市

 知多半島の北西部にあり、人口は約8万5700人。浅尾の他にプロ野球関係者では元中日山崎、中日福谷、巨人小山、阪神伊藤トレーニングコーチがいる。