守護神には頼りません!

 2年目の期待も高い阪神藤浪晋太郎投手(19)が堂々の“完投宣言”だ。11月30日、大阪市内のホテルでOB会総会に参加。このオフに韓国のセーブ王呉昇桓(オ・スンファン)が加入。心強いクローザーが後ろに控える状況にも、19歳右腕は甘えずに9回を投げきる決意をみなぎらせた。

 「1点差でも完投させてもらえる信用をしてもらっているなら投げられると思います。投げられないなら、呉昇桓さんに頼らないといけないですけどね」

 高い理想を掲げた。勝負のかかったマウンドでも新守護神の力を借りない。「完投を目指すのか」という質問に「誰でもそうじゃないですか」と即答した。大黒柱としてマウンドに君臨し、紫紺と深紅の大旗をつかんだ高校時代に戻ったような気構えだった。

 来季は能見、メッセンジャーとともに先発ローテーションに内定している。中西投手コーチは「最低160イニング投げてもらいたい。藤浪、能見、メッセンジャーにはなるべく長いイニングを。あわよくば完投も」と指令。3本柱をフル回転させるつもりだ。

 今季は8月11日の中日戦(ナゴヤドーム)で9回を完封。延長戦の末に勝利した。9回を投げたのはこの1試合のみ。10勝すべてが、救援陣の援護も受けていた。「中継ぎの方に助けてもらった」と藤浪も振り返っていた。

 1年目から10勝した功績を認められ、OB会から「敢斗賞」として表彰された。壇上で「来年以降、自分の力で優勝に貢献できるよう頑張ります」と歴代OBの前で力強く宣言した。【宮崎えり子】