ソフトバンクが李大浩内野手(31=前オリックス)と入団で大筋合意していることが2日、分かった。年俸だけで2年10億円超の「じぇじぇじぇ」なオファーだという情報もあり、飛びきりの「おもてなし」に本気度がにじむ。ジェイソン・スタンリッジ投手(35=前阪神)ともほぼ合意に達し、先発投手と4番という補強ポイントが埋まる。来週以降の発表を目指し、交渉は細部の仕上げに入る。(金額は推定)

 5年ぶりBクラスから日本一奪回へ「倍返し」を狙うソフトバンクが、補強するのは「今でしょ!」とばかりに動き回っている。

 中でも、大型案件として注目された李大浩と基本合意したことが判明した。オリックスとの2年契約が満了し、最終的に3年12億円以上とみられる再契約の条件を断って、退団。自由契約の身となった。獲得調査を進めていたソフトバンクが今月に入りアプローチをかけ、交渉は一気に進展。「優勝争いがしたい」という李大浩に、本社を挙げたV奪回への熱意を伝えた。

 提示条件にもラブコールを込めた。球界関係者によると、年俸だけで2年10億円以上の巨額オファーで、3年目は本人に選択権のあるオプション契約だという。11月下旬のオーナー報告では、孫オーナーから補強の厳命が下った。王球団会長は「とにかく補強を頑張れと。ルール上でとれる選手にはチャレンジしようと言われた。みんなもっとしっかりしろと激励された」と内幕を明かしたばかり。他球団に負けない資金で李大浩にアタックした。

 今オフの助っ人補強では、日本球界への適応リスクを減らせ、計算できる「国内組」も重視し、野手では早くから李大浩の名前はリストにあった。韓国の3冠王は昨年から2年連続で24本塁打、91打点。今年は打率も3割3厘をマークと働きを計算できる。一塁守備では来季2年目のラヘア、キューバ出身で元メキシカンリーグ首位打者のバーバロ・カニザレス内野手(33)らと重複。外国人枠の都合であふれる助っ人も出てくるが、ハイレベルでの定位置争いでチーム強化を図るもようだ。

 また、阪神を自由契約となったスタンリッジとも基本合意に達し、来季6年ぶりのソフトバンク復帰となりそう。4年間で毎年20試合以上先発し、今季は8勝12敗。外国人投手枠の都合で阪神残留とならなかったが、リーグ3位の防御率2・74は先発ローテーションで計算できる。4番と先発投手という補強ポイントを埋めるダブル獲得。細部の詰めを残すものの、交渉は最終段階に入った。

 西武を退団したデニス・サファテ投手(32)も抑え候補として獲得を目指しており、いったい最終的に外国人選手は何人体制になるのか。球界全体が注目するソフトバンクの動きから目を離せない。【押谷謙爾】