中日が新外国人として元タイガースのアレクシス・ゴメス外野手(35=米独立リーグ)を獲得したことが5日、分かった。選手調査や獲得でドミニカ共和国のウインターリーグを視察していた森繁和ヘッドコーチ(59)が成田空港に帰国。4番候補の入団を明かした。

 真っ黒に焼けた森ヘッドが谷繁兼任監督にクリスマスプレゼントを持って帰ってきた。1カ月に及ぶドミニカ共和国のウインターリーグ視察と外国人選手との契約交渉を終え、成田空港着の航空機で帰国。大きな成果の1つが4番候補アレクシス・ゴメスの獲得だ。

 森ヘッドコーチ

 向こうで契約してきたよ。見た最後の試合(2日)ではバックスクリーンまでホームランを運んでいた。ブランコより飛ばすかも知れんぞ。

 ブランコら数々の助っ人を発掘してきた眼力の持ち主は、期待にあふれていた。メジャー通算は1本塁打だが、今季プレーした米独立リーグでは出場125試合で打率3割5厘、11本塁打、71打点と安定した成績。26盗塁もマークした、走れる主砲だ。現在参加中の同ウインターリーグでも4日時点で20試合に出場、打率3割8厘、1本塁打、10打点と好調をキープ。タイプはアベレージ型だが、ツボにはまった時の破壊力は満点のようだ。

 森ヘッドコーチ

 ブランコらと並んで8年前から見てきた選手だ。なかなか縁がなかったけど、1000万円でもいいから、日本に行きたいと言っていたよ。

 初めてドミニカ共和国に渡り、選手獲得に動いた06年以来の“恋人”だった。メジャー555本塁打のマニー・ラミレス外野手(41)も調査してきたが、年齢や年俸2000万円程度のお買い得感、期待値を含めての選択。日本で一旗のハングリーさも評価の対象だった。

 ポジションは右翼か左翼。和田や平田と4番の打順も含めて争うことになりそうだ。さらに、左膝の故障で途中帰国したルナも、同ウインターリーグでゴメスと同じチームに所属して実戦復帰中。森ヘッドはその順調な回復にも目を細めたという。今季は得点力不足に泣き12年ぶりのBクラスに沈んだが、日本でもチームメートになる左右の大砲に強竜復活を託す。

 くしくも阪神も、同国からマウロ・ゴメス内野手(29=ナショナルズ)を獲得した。虎のゴメスも4番候補でゴメス対決にも注目が集まる。かつて中日にはレオ・ゴメスという優良助っ人がいたが、再来はなるか。【松井清員】

 ◆アレクシス・ゴメス

 1978年8月8日、ドミニカ共和国ロマ・デ・カブレラ生まれ。02年にロイヤルズでメジャーデビューし、05、06年はタイガース。メジャー通算成績は89試合、打率2割5分9厘。1本塁打。11打点。今季は米独立リーグのブリッジポート・ブルーフィッシュに所属。189センチ、82キロ。左投げ左打ち。