待ち受け画面に現れません!

 広島ドラフト1位指名の大瀬良大地投手(22=九州共立大)が9日、広島市内で行われた新入団選手発表会見に出席。松田オーナーから最低10勝&目標14勝に太鼓判を押され、最後は「待ち受け画面に出てこないように頑張ります」と珍宣言した。

 大瀬良が会見の壇上から降り、報道陣に囲まれていた時だ。松田オーナーが突然、黄金ルーキーの取材に“飛び入り参加”した。「気迫を前面に出せば大丈夫。最低10勝、背番号(14)ぐらいは行くじゃろう。この子は心配していない」。そう笑いながら、大瀬良に向けて携帯電話を開いた。

 松田オーナー

 心配している選手は待ち受け画面にしとるんじゃ。今は今村。その前は大竹じゃ。

 オーナーは普段から、さらなる奮起を期待する選手を待ち受け画面にしていると言う。この日の画面には、今季セットアッパーを守れなかった今村が「カープ坊や」に扮(ふん)したキャラクター画像が写っていた。ここに登場しないように!

 オーナーのウイットに富んだ思いを受け取り、大瀬良は「待ち受け画面に出ないように頑張ります」とニッコリ笑った。

 壇上では力強い言葉を並べた。「いずれは日本を代表する投手になりたい」「まずはカープの柱に」。好青年らしからぬビッグマウスの数々には理由がある。「高い目標を持たないと成長できないので」。理想像は「勝ち星で言うと(楽天)田中さんですかね」。高みを目指し、1年目から結果を追い求める覚悟だ。

 大瀬良

 15、16勝を目指す向上心を持ち続けたい。(背番号の)14勝できればチームに貢献できるし、新人王にもたどりつける。

 2日から16日まで母校・長崎日大で教育実習中の身だ。「最初、教壇に立った時は足が震えた」と保健体育を教えながら、ランニングや投球を継続する。「体重は去年3月から5キロ増えて91キロ。筋量が5キロ増えて体脂肪は4%減った」。努力は数字に表れている。

 壇上では松田オーナーから「名前が3文字の選手は大成してるぞ」と声をかけられ、照れ笑いした。外木場に北別府、佐々岡…。名投手列伝に新たな名を加えてみせる。【佐井陽介】