西武からFA宣言した涌井秀章投手(27)が、ロッテに移籍する意思を固めたことが15日、分かった。11月19日にロッテと初交渉が行われ、その後は代理人を通じて、条件面の細部の交渉を継続。この日までに2年4億4000万円プラス出来高払いで基本合意した。背番号は西武プロ入り時につけた「16」に決定。早ければ今週中にも入団会見が行われ、「ロッテ涌井」が誕生する。

 悩み、熟考した末の結論だった。FA宣言した当初から、ロッテへの移籍報道が先行。表明した直後は、新天地での挑戦に気持ちを傾けた時期もあったが、交渉が長期化する中で、西武への愛着か新天地での挑戦かで葛藤した。長期化した理由の1つに、条件面での難航が指摘されるが、球団行事の中でチームメートから残留を強く求められ、涌井自身の心が揺れ動いたのも大きな理由だった。

 最大の決め手は「先発起用」だった。ここ2年はリリーフで結果を残すも「先発にはこだわりがある」と断言。ロッテ林球団本部長の「先発としてしか考えてません」の言葉が、野球人としてうれしかった。12月上旬には西武幹部と都内で極秘交渉。条件面での大きな上積みはなかったが、誠意を受けとめた。義理を通すために、正式合意後に断りの連絡を入れるとみられ、生まれ育った千葉の地に活躍の場を移す。