DeNAがロッキーズからFAとなった高橋尚成投手(38)を獲得することが24日、確実となった。2年契約を提示している模様で条件面が整い次第、契約の運びとなる見込み。来季のクライマックスシリーズ(CS)進出に向け、先発陣の補強が急務だったチームにとって、日米通算93勝のベテラン左腕の加入は、大きな力となりそうだ。

 中畑監督にビッグなクリスマスプレゼントだ。DeNAの今季チーム防御率はリーグワーストの4・50。先発陣に限ると4・87で、先発投手の補強が今オフの最重要課題だった。阪神からFA宣言した久保の獲得に成功したが、今季、日本人左腕の先発勝利は藤井の6勝のみ。左不足は解消されていなかった。

 高橋は、今季こそメジャーでは3試合の登板にとどまったものの、大リーグ4年間で14勝をマーク。日本では07年に14勝を挙げ、最優秀防御率(2・75)のタイトルを獲得するなど、日米通算93勝の実績は申し分ない。球団は、その実績と経験を高く評価。先発の一角を託せると判断し、高橋が12月上旬に帰国する前から調査を進めてきた。ヤクルトも獲得に乗り出していたが、粘り強い交渉と複数年契約という好条件が実った形だ。

 中畑監督とは同じ駒大出身という縁もある。今シーズン終了後には、「(高橋)尚成はどうなんだろうな」と後輩の動向を気にかけていた。さらに「3連戦で1枚ずつ左が入ってくれれば、ローテーションが見えてくるんだけどな」と先発左腕の戦力としても、興味を示していた。

 38歳のベテランの経験は、今後の飛躍が求められる土屋、田中、真下ら若手左腕にとって最高の手本となる。さらに、野手ではオリックスからバルディリスが加入。リーグトップの630得点を挙げた打線も、さらに厚みを増した。球団3年目でのCS進出に向け、戦力強化が着実に進んでいる。

 ◆高橋尚成(たかはし・ひさのり)1975年(昭50)4月2日、東京都生まれ。修徳(東京)では3年夏に甲子園8強。駒大では東都リーグ通算17勝。東芝では99年都市対抗優勝。99年ドラフト1位で巨人に逆指名入団。07年最優秀防御率、ベストナイン獲得。09年オフにFA宣言し、米大リーグのメッツに移籍。11年エンゼルス、12年途中にパイレーツ、13年カブス移籍。6月からロッキーズとマイナー契約。177センチ、78キロ。左投げ左打ち。