活躍するのは…俺だ!

 俺だ!

 俺だ!

 さあ、今年も残すところあと1日。新生ドラゴンズの主役になるのは果たして誰か?

 大注目は午(うま)年生まれでプロ18年目を迎える森野将彦内野手(35)だ。ルーキー時代の背番号7を再び背負い、特別なシーズンに臨む。

 森野の言葉に遠慮はなかった。

 「野球人生で年男を迎えるのはこれが最後。本当の意味で復活の年にしたい。今までおとなしくやってましたけど、主役になりますよ」

 来年7月28日、36歳になる年男は「主役になる」と、堂々と宣言した。

 今季は新外国人ルナ、クラークの加入によって、7年ぶりに開幕スタメンから外れた。結果的に134試合に出場したが、ポジション別でもっとも多かったのは二塁の50試合。三塁はわずか14試合と本来のポジションをルナに奪われた。

 FA権行使も頭にあったが、球団の強い慰留を受け残留を決意。変動制の2年契約を締結し、自身の強い希望で背番号を「30」から「7」に変更した。来季はスペシャルな年になる。そんな思いが強い。

 来年も厳しい状況に変わりはない。クラーク退団も、巨人からFA移籍した小笠原が競争に加わる。自身とルナ、小笠原の3人で一、三塁の2つのイスを奪い合う構図だ。実績を残しながら毎年のように競争を強いられる森野の心は折れない。「やめない限り基本はサード」と、1歩も引くつもりはない。あくまでも“本職”にこだわる。

 午(うま)年は縁起がいい。「年男シーズン」はプロ入り後、2度目となるが、前回はプロ6年目の02年。先発出場の機会が一気に増え、出場試合も前年の40試合から84試合と倍増した。プロ野球ファンから「中日の森野」が認知されるようになった時期でもある。

 年明けには自主トレ先のグアムに向かう。「何かやるときは1人の方がいい。甘えずにできるから」。森野にとって失地回復を目指す14年が幕を開ける。【桝井聡】