「ポスト大竹」は俺だ!

 FA移籍した大竹の人的補償で巨人から加入した広島一岡竜司投手(22)が7日、マツダスタジアムで入団会見に臨んだ。昨秋から先発登板を見据え、スタミナ強化に励んできた。「大竹さんほどの実力、実績を積み上げていきたい」と意気込んだ。背番号は「30」に決まった。

 別れがあれば、出会いもある。フレッシュな右腕が、「ポスト大竹」に名乗りを上げた。入団会見に臨んだ一岡が決意を力強く表明した。

 「FAのせいで来たという思いはない。逆にチャンスをもらった。大竹さんほどの実力、実績を積み上げていきたい」

 過去2年間で1軍登板は13試合。すべて救援で、プロ未勝利だ。実績は残していないが、期待は大きい。最速150キロの速球とフォークが魅力。さらに昨秋からカットボールの習得に着手。巨人の2軍では抑えを務めたが、今季の先発挑戦を見据えての動きだ。プエルトリコのウインターリーグに参加し、3試合で2勝を挙げた。防御率は1点台。右足首の捻挫で滞在期間を短縮したが、収穫はあった。

 「カットボールにも手応えを感じている。先発でも中継ぎでも敗戦処理でも、『ここで』と言われたら、どこでもうれしい。1軍の戦力になりたい」

 起用法は未定。まずはガムシャラに首脳陣に1軍入りをアピールする。

 入団会見後には、すぐに球場を離れ、自主トレ先の鹿児島に向かった。巨人の左腕杉内に弟子入り。「吸収することが多い。今年からお願いした。技術も持っているし、普段の生活の姿勢も見てみたい」。先発で成功する秘策を学ぶつもりだ。

 巨人から人的補償の連絡があったのは、昨年のクリスマスイブだった。退寮から横浜市の新居に引っ越し、わずか2週間で引き払った。「後から思い返した時に、いいクリスマスプレゼントと思えるようになりたい」。この言葉が現実になれば、広島にとっても最高のプレゼントになる。若い力であふれる投手陣に、一岡が新風を吹かせる。【田口真一郎】

 ◆一岡竜司(いちおか・りゅうじ)1991年(平3)1月11日、福岡県生まれ。大分・藤蔭から沖データコンピュータ教育学院を経て、11年ドラフト3位で巨人に入団。プロ2年間で13試合に登板し、防御率4・70。1軍未勝利。昨年はイースタンで15セーブを挙げた。179センチ、80キロ。右投げ右打ち。