中日和田一浩外野手(41)が人生初のダイエットで2000安打イヤーに臨む。西武時代から17年連続となる佐賀・武雄市での自主トレを10日、公開した。大台まで残り100本で迎える今季は90キロの体重を最大6キロ減で戦う計画を明かした。ここ2年は疲労で9月に成績が急降下。1年間活躍できる体をつくり直すことが目的だ。名球会、打率3割、そして3年ぶりV奪回へ。和田が減量ボディーで初夢を実現する。

 自主トレパートナーのDeNA後藤と阪神黒瀬が、驚きの声を上げた。41歳のヌードにだ。「和田さん、めっちゃ引き締まってますねぇ!」。佐賀・武雄市の白岩運動公園での練習後、温泉露天風呂にドボン。人生初のダイエットと猛烈トレで絞って鍛えたニューボディーを披露。2000安打へあと100本で迎えるプロ18年目。肉体改造は、なみなみならぬ覚悟の現れだった。

 「ダイエットなんて初めて。この前ユニホームを着たらブカブカでした。疲れで2年連続9月に成績を落としているから体を変えないと。若々しく1年働けるようプロに入ったころの体重に戻しました」

 12年の8月は3割4分と打ったが、9月以降は2割3分1厘。13年も8月は3割5分5厘で9月は2割2分8厘と落ち込んだ。「勝負の9月」と言われる大事な1カ月。主軸の大失速はチーム成績に直結した。11年は優勝争いから、12年はCS争いから脱落。その責任は誰よりも感じていた。

 「チームが機能しなかった責任は僕にある。その打順を任され、それだけ給料ももらってますから」

 原因を見つめ直した時、余分な肉の存在に気づいた。夫人の協力も得て、野菜と魚中心の料理に変えるなど食事を制限。この日の昼食のちゃんぽんも、野菜だけ大盛りにした。3カ月かけ、90キロあった体重を84~85キロまで減らした。それをキープする。

 「パワーは少々落ちても大丈夫。この体なら1年間、若々しく振れて走れて守れるはず。例年悪い春先から絶好調で2000の目標まで突っ走りたい。そして4年ぶりに3割を打って絶対優勝したい」

 減量ボディーで狙うは一気の大台突破だ。和田が打ちまくれば、チームの開幕ダッシュにも弾みがつく。そして達成が濃厚な夏場以降も、バテない体を武器にV奪回のけん引をするつもりだ。自主トレでは山登りダッシュや体幹トレで鍛え、入念にティー打撃。後藤と黒瀬の打撃投手も務めるなど上々の仕上がりだ。

 「2000イコール一流。スゴイ人ばかり。人気は王さんや長嶋さんの足元にも及ばないけど数字だけでも仲間入りできる。すごくいい目標になります」

 研ぎ澄ました肉体で名球会&3割&優勝を全部いただく。【松井清員】

 ◆中日和田の記録ラッシュ

 2000安打まであと100本。昨年はチームトップの136安打し、12年連続100安打超え。狙えるのは通算安打だけではなく、300本塁打まであと2本、1000打点まであと10点、1000得点まで79点。昨季は18本塁打で76打点をマーク。得点は63点でハードルが高いが優勝した10年シーズンには自己最多の94得点を記録している。

 ◆空前の名球会5人在籍

 過去、同一チームに3人が同時在籍した例がある。81年巨人には堀内恒夫、松原誠、柴田勲の3人が在籍。80年に堀内が200勝、柴田が2000安打を達成。同じく80年に大洋で2000安打に達した松原が81年、トレードで巨人に加わった。この年限りで柴田と松原が引退。また84年西武にも東尾修、江夏豊、山崎裕之の3人がいた。山崎は83年に2000安打。日本ハム時代の82年に200勝を挙げた江夏は、84年に西武移籍。東尾が84年に200勝に到達した。この年で山崎が引退し、江夏が退団した。小笠原が移籍し、岩瀬、山本昌、谷繁と現時点で4人が在籍する中日は歴代最多。