中日ドラフト2位の又吉克樹投手(23=四国IL・香川)が“浅尾級の眼力”と認定された。19日、ナゴヤ球場で「キクチメガネ」(本社・名古屋市)が新人8選手の視機能を測定。又吉は、特に瞬時に事象を判別する「瞬間視」の視力が突出しており、同社の加藤一幸スーパーバイザー(55)から「平田選手や(全盛時の)福留選手と同じですが、投手では極めて異例の数字で、浅尾選手以来です」と絶賛された。

 測定方法は0・02秒だけ表示される6ケタの数字を暗記して即時に言い当てるもの。又吉は5度測定した合計30個の数字中、間違えたのは1個だけだった。正解率は9割6分7厘でこの瞬間視のよさこそ、投手力を引き出すスパイス。加藤氏は「脳の認知力が優れているので浅尾選手と同じぐらい打球判断、打球対応が速いはず」と言い切った。

 又吉もその横でうなずいていた。「確かにフィールディングに自信がありますね。アマ時代はバントさせて何度も二塁アウトにしていました。嫌な打者と無理に勝負する必要はないし、バントさせれば2つアウトにできるので」。香川では嫌な雰囲気の打者を歩かせ、次打者にバントさせて猛ダッシュ。二塁封殺だけでなく、何度も併殺に仕留めたという。まるで野球漫画顔負けの必殺技。もちろんプロでも「狙います」は、抜群の瞬間視が成せる芸当だ。

 この日は新人一番乗りでプロ2度目のブルペン投球。右変速投法から小気味よく26球を投げ込み、順調な仕上げをアピールした。すでにキャンプ1軍が内定。浅尾級の眼力を武器に開幕1軍へ走る。【松井清員】