ノーモア風邪、けが離脱…中日の沖縄キャンプで「シークワーサー大作戦」が展開される!?

 24日、ナゴヤ球場に隣接する「昇竜館」で寮生19人を対象に栄養学講習を初めて実施した。講師を務めた徳永恵子管理栄養士(31=明治)はかんきつ系の果物が風邪予防、けが予防につながると力説。沖縄の特産果実をプッシュした。2軍が9勤スタートするなど地獄のキャンプで、離脱者が続出した昨季の二の舞は“魔法の果実”で避けるさ~。

 苦々しいが甘酸っぱい。あの南国の果実が、キャンプ成功に一役買う。2軍が前代未聞の9日連続練習、いわゆる9連勤でスタートするなどハードなキャンプを乗り切るために必要な栄養素とは?

 眼をギラギラさせた若手選手に、1時間半の講習を終えた美人先生は、ある果物をお薦めした。それが沖縄特産の果物シークワーサーだ。

 先生によると効果は3つ。(1)けがの防止(2)風邪予防(3)疲労回復だ。かんきつ系の果物に含まれるビタミンを多く取ることで、コンディションを維持できる。思えば1年前、キャンプ期間からインフルエンザが大流行したが、免疫力を高めることで感染予防につながる。徳永さんは「汗をかくとビタミンが流れてしまう。(シークワーサーなら)毎食食べてもいいくらいです」と効果を絶賛した。

 準備は、すぐにでもできる。2軍選手が宿泊する沖縄・ローヤルホテルの幸地雄将さん(25)は「いつもバナナなど果物は用意してますが、シークワーサーはありません。球団から言われれば、もちろん用意します」と前向きだ。残念ながら2月は旬ではないが、県内のスーパーマーケットでは一年中、店頭に並んでいる。

 ともかく今季、球団の「食」に対する思い入れは強い。年賀式では白井オーナーが「食生活を改善しろ」と選手に向けてゲキ。今回の講習も佐伯2軍監督の「何でこんなに食わへんねん!」という突っ込みもあり実現したものだ。講習を受けたドラフト1位の鈴木翔太投手(18=聖隷クリストファー)は「今日聞いた話をこれから、生かしたい」と収穫ありの表情だ。

 厳しいキャンプを乗り切るためには、まずはビタミン豊富なシークワーサーから。絞ってジュースにしてもよし、焼き魚に掛けてもよし。ナインの口が甘酸っぱいほど、キャンプの成果も上がるはずさ~。【桝井聡】

 ◆シークワーサー

 沖縄の山野に自生するミカン属のかんきつ類。果実はだいだい色で直径約4センチ。ジュースに加工したり、果汁を料理にかける。ビタミンC、ビタミンB1も多く含む。旬は8月から9月。

 ◆昨季中日キャンプの離脱者続出

 年明けからのインフルエンザの流行が沖縄でも止まらなかった。2月20日に荒木がインフルエンザで発熱。高木監督から始まり4人目の感染だった。他にも2月4日に大島が左肘痛を訴え、7日に検査と治療で名古屋に戻った。10日にはカブレラが首痛。17日は杉山が守備練習で左肘靱帯(じんたい)損傷を負った。20日に山本昌が急性胃腸炎、松井佑が首回りに疲労性のじんましんを発症。21日は福谷が古傷の右内転筋損傷。26日にはブラッドリーが急性胃腸炎で宿舎に救急車が出動した。今季の1軍キャンプは谷繁兼任監督の考えるメリハリ日程で6勤が復活。2軍は佐伯2軍監督の意向もあり9勤スタートするなどよりハードになる。