強敵G倒へ、全員集合や!!

 阪神鳥谷敬内野手(32)がV奪回への思いを日刊スポーツに激白した。30日は空路で沖縄入り。明日2月1日から始まる宜野座キャンプを控え、覇者・巨人へ闘志を燃やした。昨季終盤に直接対決3連戦で3連敗し、優勝争いから後退。ナインの一体感を強めるべく、シーズン中の休日の「全員練習」と「全員休日」の積極的な導入を提案した。虎のキャプテンが、総力をまとめるべくチーム改革に動き始める。

 目の前の敵が強いほど鳥谷は奮い立つ。V奪回へ何をすべきか。主将はある提言を胸に、沖縄入りした。キーワードは「一体感」。チームとしてシーズンの休日の過ごし方に言及した。

 「監督やコーチに言われてではなく、選手でまとまって練習しようというだけでも、どれだけ大事か。1つの例として、休日に(次は)巨人戦だから練習しようかとか。チーム全体で意識して試合に臨む」

 シーズン中の休日は、レギュラーは休養し、若手が体を動かす指名練習が球界の慣習だ。首脳陣が全体練習を命じる以外は、主力やベテランについては本人の意思に任されるケースが多い。だが、主将はシーズン序盤から節目での「全員練習・全員休日」案を提言。ベテランやレギュラー野手と話し合い、メリハリのある環境作りに力を注ぐという。選手間で意思統一できれば、首脳陣に打診することになりそうだ。

 「だらっと練習するのではなく、休みなら休みにしたり、練習日なら全員で練習するとか(全体で)メリハリをつけないと。その方がまとまりやすい。いつも、そう(非常事態に)なってからバタバタする。いろんな意味でだらっと1年間やってしまわないように」

 敵が大きいだけに、チームが1つに結束することが何より重要と考えている。最大のテーマは「打倒巨人」。西武FAの片岡、広島FAの大竹、中日戦力外の井端が加入…。ただでさえ、強敵は、さらにスケールアップした。

 「井端さんの守備力もあるし、片岡の足もある。いろんな意味でパターンが多くある。崩れにくい。故障者が出ても、そこに入る選手が余った状態で戦える」

 昨季は優勝争いを演じながら、8月27日からの直接対決(東京ドーム)の3連戦3連敗で一気に8ゲーム差まで突き放された。力の差を思い知らされ、自軍に足りないものを痛感した。

 「最後まであきらめてはいないけど流れにのみ込まれて、もう、ちょっと離れて無理だという空気というか…」

 首位に立った時期もあったが、最後まで心のスタミナを保てなかった。いかに全員を同じベクトルに向け続けるか。巨大戦力を打ち破る1案が異例の“全員行動”だ。プロ野球歴代3位の1322試合連続出場中。キャンプイン目前、球界でもっとも休まない男が「休日の使い方」に一石を投じた。リーダー鳥谷を中心に団結し巨人の3連覇を阻む防波堤になる。【酒井俊作】

 ◆指名練習

 公式戦が開催されない日に若手、控え選手らが行う練習。ピックアップ練習とも言われる。通常は練習前日に首脳陣から指名される。火曜日から日曜日まで6連戦の場合、多くのチームは主力やベテランの体調面を考慮して休日を与え、指名練習となる。投手のみの投手練習に切り替えられるケースも首脳陣の判断。大一番を控えていたり、日程的に楽になる交流戦期間中、遠征先への移動日にあたる場合は全体練習となることもあるが、いずれにせよ首脳陣の判断ではなく、選手間で話し合って全体練習に取り組むとなれば異例。