ソフトバンクが「秋山のおきて」持参でキャンプインする。1月31日、宮崎入りしたチームは宿舎到着後、即全体ミーティングを開催。秋山幸二監督(51)はプロのあり方を訓示し、野球という職業を自覚した行動を求めた。「プロフェッショナルとは」と題したレジュメも配布。インフルエンザが判明した福田は宮崎入りに待ったがかかった。

 たぶん今季これが最初で最後だろう。宿舎到着後、休憩なく行われたミーティング。珍しく秋山監督が演説台に立った。マイクを通して伝えたのはキャンプ以前のプロ意識だ。

 「ごく当たり前のことだよ。自分がどこの場所にいて、どうするのか。自分で意識していないとなかなかできないから」

 全選手にA4用紙に「プロフェッショナルとは」と題した6項目ほどの「秋山のおきて」を配布した。一般企業が社員にプロ意識を持たせるために使う解説文などを紹介しながら、野球という職業を強く自覚した行動を求めた。豊かな人間性も必要と訴えた。本多は目を大きくして会場から出てきた。「野球をする以前の気の持ち方、準備。自分の意思で考えて練習すれば技術向上につながると思う」。水上3軍統括コーチも「監督の言葉に力を感じた」とうなる熱っぽさだ。

 昨季はBクラス4位。決定的な敗者になり、ここからはい上がる。キャンプイン前夜、あえて基本的なプロ意識をたたき込んだ。指揮官は「土台をしっかり作らないと。地を固めないと」と1月30日の必勝祈願と同じせりふを繰り返した。

 タイミング悪く?

 この日午前にA組(1軍)予定の福田のインフルエンザが判明。もちろん宮崎入りはストップ。代わって城所がA組に昇格する。「すごくはやってるんだぞ。(予防を)徹底しているか?

 そういう意識の問題だよ。1回かかると筋肉が緩んで戻るのに時間がかかるから」。第1クールの欠席は決定的で、チーム合流後もB組へ降格は免れない。本人に悪気はないのだろうが、指揮官は手厳しかった。大型補強だけで一足飛びに常勝軍団になりえない。プロの心構え。王座奪還キャンプは基本の基本から始まる。【押谷謙爾】