3冠王への秘密兵器はライバルのバットだ。DeNAのトニ・ブランコ内野手(33)が8日、フリー打撃で快音を連発。右翼から左翼方向へ風速10メートルの風を物ともせず、42スイングで14発をたたき込んだ。「本当にそんな打った?

 今日は調子は悪くなかったからね」とニヤリと笑った。

 豪快な柵越えを支えているのは、今キャンプから本格的に使い始めたバレンティン(ヤクルト)モデルのバットだ。オールドヒッコリー社製で長さ86センチ、重さ880~900グラム。「去年のシーズン中に『これいいよ』と勧められたのが最初。バットは大事な武器。すごく使いやすいよ」。他社製も使用しながら最も合うものを探している段階だが、「彼(バレンティン)のように記録を更新する選手になりたいし、少しでもいいものを取り入れたいと思っているからね」と好感触のようだった。

 ライバルから贈られた“塩”を最大活用する。昨季は首位打者と打点王の2冠を獲得。「バレンティンも自分もそれぞれ去年より上を目指している。自分の家族、そして何よりチームのために、今年は3冠王を狙っていかなきゃいけないと思ってるよ」。不動の4番は新たな相棒を手に、大記録に挑戦する。【佐竹実】