阪神の新ストッパー呉昇桓(オ・スンファン)投手(31=韓国・サムスン)が各球場の“マウンド行脚”で開幕に備える。2日、甲子園でランニング、ノックなどで汗を流した。主戦場となる甲子園と韓国のマウンドを比較し「それほど違うとは思わない。基本的な数値というのは決められているわけですから。ただ、これから各球場のマウンドをチェックしてみたいとは思っています」と話した。

 オープン戦で巡るセ・リーグの本拠地は横浜スタジアムと神宮。交流戦を戦うパ・リーグはヤフオクドーム、西武ドーム、QVCマリン、そして、開幕直前の京セラドーム大阪を経験することができる。微妙なマウンドの傾斜の違いをチェックして、頭と体にインプットするつもりのようだ。すべては高いプロ意識が根底にある。

 「プロ野球選手にとって、ボールの違い、マウンドの違いというのは言い訳になりますから」。1球のミスが命取りになる最終回のマウンドだが、ボールやマウンドを失敗の理由にすることは許されない。だからこそ、事前にチェックする。セーブ数の韓国記録を打ち立て、豊富な国際経験を誇る呉昇桓ならではの言葉だった。【鈴木忠平】