<オープン戦:ソフトバンク4-3中日>◇12日◇ヤフオクドーム
帰ってきました!
左肘手術からの再起を期す中日大島洋平外野手(28)が2安打1四球と暴れた。1軍昇格即、2番中堅で先発。出遅れを取り戻すアピールに成功した。一塁と外野を兼任する新外国人アレクシス・ゴメス外野手(35=米独立リーグ)の加入で外野戦争はヒートアップしてきた。
駆け付け3杯ならぬ、駆けつけ3出塁だ。前日まで神戸で2軍戦に出場していた大島が福岡で躍動した。2番中堅で出場すると、1回はソフトバンク寺原のボールを落ち着いて見極めて四球を選ぶ。3回には低めの直球を振り抜き「ただいま」のオープン戦初ヒット。そして、5回には2ストライクから低めに落ちてきたフォークを崩されながらも巧みなバットコントロールで中前へ。「追い込まれていて拾うことが出来たんで良かった」。3回は、失敗に終わったものの積極的に盗塁を仕掛け、復活を印象づけた。
一進一退を繰り返した。順調な2軍キャンプを過ごし、終盤には1軍の実戦に呼ばれたが、なかなか結果がついてこない。沖縄から帰ってくると、左肘に張りが出てまさかのペースダウン。その間に外野もこなす助っ人ゴメスや4番候補の平田が活躍した。これには普段は冷静沈着な選手会長もさすがに焦りがあったはず。ようやく「定位置」に戻ってきた大島は、気持ちよさそうに暴れ回った。
準備は出来ていた。前日11日に神戸で行われた2軍戦を終えて博多入り。疲れも感じさせず、この日はチームよりも30分早く宿舎を出発。昇格組の堂上直らとヤフオクドームのブルペンでバットを振った。試合前に実施される野手の10メートル走では、トップの1・65秒を計測。俊敏性や動きだしを測るテストで、首脳陣にしっかりアピールしていた。
谷繁兼任監督も目を細めた。「動き的には問題ない。あいつも下(2軍)で必死にやってきた」。2軍キャンプを視察する度に佐伯2軍監督から大島の状態を確認してきた指揮官は期待通りの活躍に満足げだ。「なんとかアピールして、試合に出られるように頑張ります。このまま続けていきたい」。入団から4年連続で守ってきた開幕センターを誰にも渡すつもりはない。【桝井聡】<大島のここまで>
◆13年10月12日
名古屋市の病院で左肘遊離軟骨除去及びクリーニング手術。
◆14年2月16日
キャンプから2軍調整で、同日の韓国・LG戦(読谷)が初実戦。1番中堅で出場し2安打。1軍テスト受験が決まる。
◆18日
巨人戦(沖縄セルラー那覇)で1軍に初合流し、途中出場で1の0。
◆19日
ヤクルト戦(北谷)に1番中堅で出場も3の0。昇格は持ち越し。
◆22、23日
オープン戦で1軍に再合流も出番は23日阪神戦の途中出場で1の0。再び2軍へ。その後左肘に張りを訴え実戦欠場。
◆3月6日
左肘が良化し、2軍オリックス戦(ナゴヤ)から実戦復帰。
◆10日
教育リーグ・オリックス戦(神戸第2)で猛打賞。
◆11日
同カード3の0も1軍初昇格が決まる。