阪神2軍の本拠地鳴尾浜球場(兵庫・西宮市)のスコアボードに、スピードガン表示が追加されることが14日、分かった。完成時期は未定だが、この日までに着工した。バックネット裏のスピードガンで測った数値を手作業で入力し、スコアボードに表示させる予定。試合中のナインや観戦するファンが1球ごとに投手の球速を確かめられるようになる。

 2軍チームは何年も、スコアボードに球速を表示するよう球団と交渉していた。今季ついに承諾がおりた。湯舟2軍投手コーチは「すぐに見られて僕たちも、相手のチームも助かるんじゃない」と笑顔だった。

 これまでは試合後にしか球速を知ることができなかった。控え選手やスタッフがバックネット裏のブースでスピードガンを構え、1球ごとにチャートに書き込む。それを試合後に見ることでしか、球速を確認するすべがなかった。

 球速が気になるのは投手だけではない。高校を卒業したばかりのドラフト2位横田慎太郎外野手(18=鹿児島実)も「そりゃ知りたいですよ!」と即答する。相手バッテリーとの駆け引き、配球を読む上で、打者にとっても必要不可欠な情報だ。

 もっとも恩恵を受けるのは、球場を訪れるファンだろう。「150キロ投げた!」「150キロを打った!」。ワンプレーに沸く野球観戦の醍醐味(だいごみ)に、スピード表示の要素も加わる。鳴尾浜の実戦で、若手投手、打者ともにパワーアップに励む。

 ◆他球場では

 1軍が使用する本拠地球場には設置されている。ウエスタン・リーグの本拠地では中日のナゴヤ球場、オリックスの神戸第2が12年からスピード表示をしている。