<イースタン・リーグ:西武1-4日本ハム>◇18日◇西武第2

 日本ハム斎藤佑樹投手(25)が開幕ローテーション入りし、大役に抜てきされる可能性が出てきたことが18日、分かった。イースタン・リーグ西武戦(西武第2)で6回4安打1失点と好投。開幕カードの29日オリックス戦(札幌ドーム)先発の最有力候補に浮上した。最低でも勝ち越しを狙う本拠地3連戦で重要な2戦目のマウンド。右肩関節唇損傷から復活を期す右腕が再び、大舞台に舞い戻ってくることになりそうだ。

 完全復活へ、また1つ階段を上った。斎藤は投球を楽しんだ。直球、変化球とも低めを丹念に突き、6回4安打1失点。18個のアウトのうち13個がゴロアウトだった。3回2死三塁のピンチでは西武の注目ルーキー森に力勝負。内角直球で捕邪飛に仕留め、佑ちゃんスマイルがはじけた。唯一の失点が右打者の美沢に浴びた右中間へのソロ本塁打。「あの本塁打が…。ああいうところですね」と反省も晴れやかな表情。「開幕ローテに選ばれるかは(栗山)監督の腕次第ですね」と天命に任せた。

 大役を任されるかもしれない。ソフトバンク戦前に結果を聞いた指揮官は「悪くなかったっていうのは聞いた。そろそろ先発(ローテ)を考えないと」と発言。開幕ローテ入りの明言は避けたが、開幕2戦目のオリックス戦で先発起用される可能性が出てきた。

 札幌ドーム開幕3連戦の先発は、開幕投手の吉川と3戦目の武田勝の両左腕が確定。2戦目は未定だが、今日19日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で先発の木佐貫とともに候補に挙がっているもよう。2、3カード目は敵地で迎える。本拠地では最低でも勝ち越しスタートしたいところ。1軍経験がなく未知数の上沢やルーキー浦野は、重責を考慮されて除外される可能性が高い。

 現状では斎藤が1歩リードの様相だ。春季キャンプから順調に調整。実戦7試合で計23回6失点、防御率2・35。ある程度の結果を残してきた。ライバル木佐貫は左ふくらはぎを痛めて調整が遅れた。実戦3試合で計9回3失点、防御率3・00と不安を残す。また、斎藤は12年に開幕投手を務めプロ初完投勝利を飾るなど大舞台に強い実績もある。白羽の矢が立つ好材料がそろい、分がありそうだ。

 昨季は右肩関節唇損傷を負い、投手生命の危機に立った。懸命なリハビリを行うと同時に、投球動作の見直しにも時間をかけてきた。1軍復帰となった昨年10月2日オリックス戦(札幌ドーム)では、5回途中6失点で降板。わずか1試合の登板に終わった悔しさを晴らすときは近づいている。「試合をつくれると(試合)展開も楽になる。今日みたいな投球を平均してできればいい」。確かな手応えをつかみ、再起をかける4年目へ向かう。

 ▼故障に苦しんだ昨年の斎藤は1軍登板が10月2日オリックス戦だけだったが、最初の2年間は3~4月に好成績。ルーキーの11年はプロ初登板の4月17日ロッテ戦で初勝利を挙げ、続く同24日楽天戦でも白星。開幕投手に起用された12年は開幕の3月30日西武戦で完投勝利、4月20日オリックス戦ではプロ初完封をマークした。5月以降の斎藤は通算6勝14敗、防御率3・93だが、3~4月は7試合で5勝1敗、防御率2・06。開幕直後は抜群のピッチングを見せていた。