投打で絶好調の日本ハム大谷翔平投手(19)の勢いが、場外に波及した。5月31日の交流戦阪神戦(札幌ドーム)のチケットが、発売1週間あまりで2万枚を超えていることが21日、分かった。当日は大谷にスポットが当てられる「プレーヤーズスペシャル」と銘打って開催。1カ月以上も先の試合が早くも注目を集めている。

 観客動員に悩む球団の救世主となるかもしれない。昨季は札幌ドーム開催(57試合)の平均観衆が2万6692人。今季は9試合消化時点で前月28日の開幕戦オリックス戦の3万1369人が最多。平均でも2万2131人と苦戦する。前売り時点で2万枚を超えるのは、最近では異例。球団関係者も「開幕戦以上にチケットが売れるスピードが速い」と驚く。大谷の好調さに加え、試合が土曜日で道内でも人気の阪神戦という好条件もプラス要素。今季の最多観衆を記録する可能性も秘めている。

 本業でもチームの窮地を救う活躍が続いている。投手では、前日20日楽天戦で6回1/3を2失点(自責0)で2勝目。チームの連敗を3で止める快投を見せた。野手では、規定打席未満ながら打率3割8分5厘と好調を維持。ファンの期待が高まるのも当然のパフォーマンスを見せている。

 この日は、2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で登板翌日に行う有酸素運動を行った。今日22日のソフトバンク戦(東京ドーム)では野手として出場予定で、きっちりコンディションを整えた。グラウンド内外で巻き起こる大谷旋風は、止まりそうもない。【木下大輔】