<日本ハム1-2ソフトバンク>◇22日◇東京ドーム

 打ったけれど、やっちゃった…。日本ハム大谷翔平投手(19)が、珍記録をお膳立てした。ソフトバンク4回戦の3回に右前先制適時打を放った直後、悲劇が襲った。中田翔内野手(25)の中飛で三塁走者・西川がタッチアップを狙ったが本塁で憤死。一塁走者の大谷も二進を試みたがタッチアウトになり、チームでは2年ぶりの三重殺を献上してしまった。投手で2勝目を挙げ、中1日で野手でフル出場の奮闘も、痛恨の走塁が響き再び借金2へ逆戻りした。

 大谷は悔しそうに、天井を仰いだ。3回無死一、三塁。先制打を放った直後に、落とし穴が待っていた。発端は中田のライナー性の中飛だった。定位置よりも浅めの打球だったが、三塁走者・西川は、タッチアップで果敢に本塁を狙って憤死。その間に一塁走者の大谷は「2死二塁をつくりたかった」と、スタートを切ったが細川の送球に刺された。「ごちゃごちゃしていたので…。自重したらよかった。一塁に誰も入ってなかったし、何とかしなければならなかった」と反省した。

 25歳のバースデーが4打数無安打、屈辱プレーの起点にもなった中田は「あそこで、しっかり三塁走者がかえれるフライを打てなかった自分の責任。何とかしたかった。力んで打ち損じてばかり。ただただ情けない」とうつむいた。

 5回に逆転されると、打線は三重殺を最後に二塁すら踏めなくなり、6回からはすべて3者凡退と淡泊な攻撃が続いた。栗山監督は「う~ん、う~ん…怒ってる。(三重殺は)すごく前を向いて戦う姿勢はあったけど…。(再)逆転できると思った」と眉間のシワは深くなった。

 6カード連続で初戦を落とし、借金は再びワーストタイの2。栗山監督は「今日は監督が下手くそなだけ。監督が悪い。監督の能力が足りない」と、責任を背負い込んだ。白星が、本塁が、遠かった。【本間翼】