<日本ハム1-9ロッテ>◇25日◇札幌ドーム

 日本ハムが大敗を喫し、7カード連続で初戦を落とした。ロッテ成瀬に5安打1得点と封じ込まれ、対ロッテは開幕から4連敗。投手調整だった大谷が欠場の中、打線が低調で再び借金2となった。

 グラウンドから一瞬で視線を外し、ベンチ裏へ消えた。栗山監督の背中から怒りが充満した。9点ビハインドの最終9回。後味の悪さが倍加するボーンヘッドを見届けた。1死一、三塁。ミランダが一矢報いる右犠飛を放った後、わずかな反撃ムードが完全消滅した。2死と勘違いしていた一塁走者の中田がスタートを切っていた。

 帰塁できずゲームセット。三塁走者の陽岱鋼の生還は認められたが「珍プレー」で完敗の幕が下りた。7カード連続で重要な初戦で黒星。栗山監督は「オレが言葉に出すことじゃない」と断罪したが、すぐに思い直した。自分を責めに責めた。「そういうことをやらせられないのはオレの責任。オレが一番悪い!」。どんな時も選手に救いの手を差し伸べる熱い思いと、結果はリンクしなかった。

 開幕から24試合。勝率5割前後を一進一退が続く。模索しているのが、この日も顕著だった大谷不在時の打線の構成だ。打者で先発出場11試合は全3番起用で打率3割9分1厘の核。得点は1試合平均で4・5点。投手で登板、または準備のために欠場した際は13試合で同3・3点。「代役3番」にはここまでミランダと西川、小谷野、陽岱鋼の計4人。打開案を試行錯誤している現状だ。

 ベテラン21年目の金子誠をプロ入り初の一塁で先発起用。好調の大引を移籍後初の1番抜てきと、兵を揺さぶったが呼応せず。この日も「二刀流」パターンの上位打線の輪郭が、不透明なままだった。栗山監督は訴えた。「やることを全力でやるのが原理原則」。今日26日が53歳の誕生日。思案の春を抜けた先に、本物の新生ファイターズも生まれる。【高山通史】

 ▼日本ハムがロッテに開幕から4連敗。対ロッテの開幕4戦4敗は、97年に5戦5連敗を喫して以来。引き分けを挟むと、10年にロッテ戦開幕7連敗(2試合目が引き分け)がある。