<ソフトバンク3-2日本ハム>◇5日◇ヤフオクドーム

 日本ハムの連勝が5で止まった。首位ソフトバンクに痛恨の逆転負けを喫した。1点リードの4回に急造三塁手の近藤の適時失策で同点。守備の乱れでの、この回2失点が致命傷になった。5回に一時追いついたが、主導権を取り戻すことはできなかった。栗山英樹監督(53)が就任3年目で狙った初の6連勝はならず。通算5度目の挑戦となったが、またも「壁」に阻まれた。並んでいたロッテをかわし勝率の差で単独3位浮上も、後味悪い進撃停止だった。

 はね返された。1点を追う9回1死、ホアン・ミランダ内野手(31)の左翼への大飛球は、フェンス最上部に当たってグラウンドへ戻った。ビデオ判定。結果は二塁打。栗山監督は「オレは入ってると思った。ビデオ判定やるなら、フェンスの近くに(カメラを)つけるとか…スポーツだから、判定が出れば従うけど…」。確信した同点弾は、幻になった。監督就任5度目の6連勝挑戦。また、はね返された。

 一時同点に追いついた5回。大場KOに一役買った。先頭ミランダの初球直後、ベンチを飛び出した。石山球審に詰め寄る。「ボールが見えづらいって打者も言ってた。付けてもいいけど付けすぎだろって」。滑り止めのロジンバッグを多量につける大場がボールをリリースする際、白い粉が飛び散ってボールが見えづらくなると“揺さぶった”。ミランダは右中間を破る二塁打で出塁。市川の同点適時打への伏線となった。

 先制し、逆転されても追いついた。ロースコアの接戦に持ち込むのは目指している形。それでも結果的には6回、メンドーサが長谷川に決勝打を浴びた。肝いりでコンバートした、三塁・近藤が4回1死一、二塁のピンチで犯した二塁への悪送球で同点。ミスがなければ、打者が李大浩で併殺は確実だった。無失点でしのげていたはずが、逆転を許した。栗山監督は「申し訳ない。ミスもあったけど、使ってる方が悪い。投手コーチには、謝りました」。深く、長い息を吐いた。

 連勝は5で止まり、再び借金1。だがこの1敗を、前向きにとらえた。北海道から福岡へ、日本のプロ野球界でもっとも長い移動日ゲームをこなし、首位ソフトバンクを相手に1点勝負の接戦に持ち込んだ。「やられるとしても、どっちに転ぶかわからないという、最低限のところまではできている。いつもこういう試合をやりたいと思っている」。昨季最初の5連勝が止まったのも、1点差で敗れた接戦だった。チームは翌日から、再び5連勝した。【本間翼】