<日本ハム8-0DeNA>◇24日◇札幌ドーム

 日本ハム中田翔内野手(25)が今季初の猛打賞となる、3打数3安打1打点で打線をけん引した。1回は2球目をとらえ、好機を広げる中前打。3回は初球を左前打でチャンスメーク。5回は2球目を左前適時打。「積極的に振りだしていこうと思っていたので良かった」。3打席でわずか5球の早業は、すべてが得点に絡む濃厚な仕事ぶりだった。

 汚名返上の活躍になった。交流戦開幕前の18日ロッテ戦。ボーンヘッド2連発を犯した。怠慢な走塁、守備でチームの士気を下げた。信頼を取り返すべく、交流戦4試合で13打数6安打、打率4割6分2厘。「少しでもチームの勝利に貢献できているので良かった」。12試合連続でノーアーチも、連敗が止まったことを喜んだ。

 元来はチームのために献身する男だ。コンディション不良でDH起用された時も、そうだった。守備での負担を考慮され、5日ソフトバンク戦から左翼守備を回避も、翌6日には左翼での出場を栗山監督に直訴したという。指揮官は無理をする時期ではないと説得し、「オレは感動した」と、4番が見せたおとこ気だけを受け取った。

 大量リードの展開もあり、5回に代走を送られて途中交代も「(体調は)全然、大丈夫」。47試合目でのシーズン初の1試合3安打は、レギュラーに定着した11年の49試合目に並ぶスロー爆発。栗山監督も「遅すぎ!」と苦笑いも、内容の濃い活躍だった。【木下大輔】