<巨人2-0日本ハム>◇25日◇東京ドーム

 日本ハムが今季ワーストタイの2安打に抑えこまれ、0封負けを喫した。先発ルイス・メンドーサ投手(30)が巨人打線を相手に8回途中まで2失点と粘り強く投げたが、打線が大引の2安打だけと沈黙した。栗山英樹監督(53)の采配も実らず、投打の歯車がかみ合わないままの敗戦。ロッテにひっくり返され4位に転落した。

 手は尽くした。栗山監督は全身全霊のタクトを繰り出した。今季最少タイの2安打完封負け。消化不良の思いだけが残った。勝率5割へ逆戻り、4位に転落した。収穫も乏しい。自分を責め続けるのが敗戦の弁の恒例だが、珍しく矛先を変えた。「必死にやり切ったか。結果に対して悔しかったか。心に留めておかないといけない」。選手個々のファイティングポーズの物足りなさに苦言を呈した。

 勝負をかけた最終局面で、憤りをあらわにした。1点を追う8回。1死満塁のピンチだった。1点失えば致命傷だった。乗り切れば9回は陽岱鋼からの好打順。迷わず前進守備を敷いた。代打高橋由は二ゴロ。絶好の二-捕-一の併殺でしのげる打球が、西川へ。三塁走者の坂本は打球音と同時に本塁へ向かう「ギャンブル・スタート」をかけた。一瞬の遅れも許されない、処理が求められた。

 技術不足もあるが、1呼吸おいての本塁送球で生還を許した。白井内野守備走塁コーチ兼作戦担当は「相手のスタートが良かった」としたが寸分のスキがなければ切り抜けた可能性があった。微妙な判定。ミランダが真鍋球審に異議を唱えたが、栗山監督は鬼の形相でベンチで腕組み。「カズ(白井コーチ)に聞いて」と論じなかったことに、痛恨の胸の内がにじんだ。

 直前の同点機、8回1死二塁。代打北に左腕の山口を投入されたが、右打者は石川慎と両打ちの杉谷、ベテラン飯山ら駒はあったが動かず。北、続いて代打起用された石川慎が連続三振で万事休し、その裏に守備も精彩を欠いた。全責任を背負うのが酷なほど、兵は踊らなかった。「信じていった。結果的に申し訳ない」。最後の最後は、いつものように選手をかばい、自分を責めた。【高山通史】

 ▼日本ハムが2安打でO封負け。今季は5月10日オリックス戦(ほっともっと神戸)でディクソンに9回2安打に抑えこまれ、安打数は当時と並ぶ最少。0封負けは3月29日オリックス戦(0-5)、4月18日楽天戦(0-12)、5月23日DeNA戦(0-5)に続き4度目。