“アウトドア派”の日本ハム大谷翔平投手(19)が、夜空の下で快投を見せる。チームトップタイの5勝目を目指し、今日28日のヤクルト戦(神宮)に先発。今季2戦2勝、防御率0・00と抜群の安定感を誇る屋外球場で、連敗中のチームを救う。27日、2軍施設の千葉・鎌ケ谷で最終調整を行った。

 気象条件をも味方につけることが、“アウトドア派”になるコツだ。本拠地・札幌ドームよりも狭い神宮で、本塁打日本記録保持者バレンティンと対戦する大谷は言った。「一発はあるけど、風にもよる。風を見ながらいきたいです。自分のできることをしっかりとできればいいです」。風向きによって攻め方を工夫し、封じるつもりだ。

 プロ入り初完封勝利を飾った今月13日の西武戦(函館)も強風だった。当日の風向きは追い風。「投手有利の日。僕の直球は走る」と分析し、最速158キロの直球で押しに押した。外野への大きな飛球もあったが、投球のパワーと風で、打球は失速した。反対に向かい風を受ければ、スライダーなど変化球がキレを増す。置かれた環境を冷静にとらえ、有利な展開へと導いていく。

 屋外球場は今季2戦2勝。15回1/3を投げ、防御率は0・00だ。前回登板した20日の中日戦(札幌ドーム)は4点リードの6回に5失点する悔しい内容だったが、打席にも入る「二刀流」の難しさもあった。ボール自体は悪くない。「春先いい方がおかしいので」。本人も状態が上がっているのを感じている。

 この日は2軍の千葉・鎌ケ谷で、ランニングやキャッチボールなど軽めのメニューでコンディションを整えた。チームは巨人に連敗。特に2戦目はサヨナラ負けとムードはよくないが、屋外の大谷は鬼に金棒。4位に転落したチームを再び上昇気流に乗せる。【本間翼】