阪神が5月31日、今秋ドラフトの目玉の最速157キロ右腕、済美(愛媛)安楽智大投手(3年)の密着マーク継続を決めた。明石商(兵庫)との練習試合に佐野仙好アマスカウト統括が足を運んだ。竹内スカウトディレクターと今年初めて安楽の投球を視察。「以前のいい状態が10なら6、7といった感じだけど、夏に向かって上がってきた。また今後も見させてもらいます」と復調を確認した。

 右肘痛から復帰を目指す安楽は、9回を9安打2失点。7回からは故障後初めて大きく振りかぶった。最速は144キロを記録。ワインドアップ投法を解禁し、安楽は「腕もふれてきた。力強い真っすぐが投げられたと思います」と手応え十分だった。上甲正典監督(66)も「躍動感も出てきた。球速はもっと出てくるでしょう」と話した。

 阪神は上位候補に昨夏甲子園優勝投手の前橋育英・高橋光成投手(3年)、早大の156キロ右腕の有原航平投手(4年=広陵)らもリストアップしている。安楽には昨年から熱視線を注いでいて、今年1月の始動では山本スカウトが同校グラウンドを訪れた。他球団も注目する1位競合も間違いない逸材。この夏、高校野球を熱くするであろう剛腕右腕を虎が追いかける。