中日ドラフト1位鈴木翔太投手の19歳の誓いは、0封デビューだ。16日にナゴヤ球場の練習で1軍に初合流し、山井や大野、浜田らに初々しくあいさつ。故郷浜松で西武戦がある今日17日にもプロ初登板する。

 偶然にもこの日は19歳のバースデー。「誕生日に初めて1軍に合流できて、初登板も地元で、奇跡というか、すごくうれしくて幸せです。1軍の大事な試合。0点に抑えたい」と意気込んだ。

 浜松球場は思い出の場所だ。小学校時代から年に1度やってくるプロ野球を見に行った。「巨人の清原さんは大きくてすごかった」。高校(聖隷クリストファー)時代は静岡・西部地区大会決勝で投げ勝ち、本大会出場を決めたこともある。そして昨年8月は中日-ヤクルト戦を観戦。「そこにプロとして立てるなんて」。首脳陣の粋な計らいに結果で応える心意気だ。

 出番は救援。いつその時が来るかはわからない。だがこの日は谷繁元信兼任監督(43)から激励され、2軍調整中の吉見からも「おめでとう。頑張ってこいよ」と送り出された。2軍では0勝3敗で防御率5・14。だが手元で伸びる最速143キロを主体に、投球回の21に近い18奪三振。粗削りが魅力だ。

 チームは5割超えの壁を破れず、借金生活が続く。だがドラ1が光れば、一気に活気づくことは間違いない。「浜ちゃんのようにイキイキ、ピチピチとね」。友利投手コーチは川上の代役先発から3連勝中の浜田再来を期待した。谷繁監督がドラフト指名前のVTRで「一目ぼれした」逸材。家族や仲間の声援を背に、いざ鮮烈デビューだ。【松井清員】<鈴木翔太(すずき・しょうた)アラカルト>

 ◆誕生

 1995年(平7)6月16日、静岡・浜松市生まれ。家族は両親と弟。

 ◆球歴

 小1から野球を始め5年から投手。北浜東部中時代は浜松シニアに所属。聖隷クリストファーで2年夏4強、3年夏は8強。

 ◆きれい好き

 プロ入り後、登板前に寮の自室清掃を欠かさず。身辺と心を清めて仕事場に上がっている。「もちろん今回も」。

 ◆未来のエース

 13年ドラフト1位で中日入団。契約金8000万円、年俸720万円(金額は推定)。背番号は18。

 ◆サイズ

 183センチ、74キロ。右投げ右打ち。