<西武6-5日本ハム>◇2日◇西武ドーム

 日本ハム大谷翔平投手(19)は奪三振ショーを演じたが、白星を逃した。10代最後の登板。巧みな投球術で主導権を奪い、7回2失点、自身最多12三振の快投を見せた。ベンチで勝利を見届けるはずだったが、9回に悲劇が起きた。中継ぎ陣の乱調で逆転サヨナラ負け。大谷は試合後「(調子は)よくはなかったです。(菊池への意識も)特になかったです」と、口は重かった。

 最速は158キロ。5試合ぶりに160キロの大台へ届かなかったが、フォークとスライダーを効果的にちりばめ、新たなスタイルでアウトを重ねた。「いろいろやりたいなと思ったので」。7回2死一、二塁。最後に迎えたピンチにも、1回に左前打を浴びた渡辺を変化球のみで追い込み、最後はズドンと156キロで自己最多12個目の三振を奪った。5日は20歳の誕生日。悔しさをバネに、さらに圧倒的な力を持つ投手に、打者に成長する。

 ▼大谷がプロ入り最多の12奪三振。6月以降の奪三振数は10→6→11→7→12と、最近は1試合おきに2ケタ奪三振。今季の奪三振率は10・30となり、奪三振率が10を超えた。過去に奪三振率10以上は延べ14人いるが、高卒2年目以内には68年江夏(阪神=2年目に10・97)だけ。大谷が高卒2年目としては江夏以来の奪三振率10以上を狙う。