<楽天12-5日本ハム>◇8日◇コボスタ宮城

 ザ・凡戦だった。日本ハムが完璧に精彩を欠き、あっさり3連勝を止めた。序盤の攻防、試合開始から1時間足らずで大勢が決まった。最大の誤算は先発武田勝投手(35)。完全に打ち込まれた。伏兵の西田の3ランを含む6安打、1回に一挙6失点を喫した。「修正する前にやられた。チームに迷惑を掛けた」。1回0/3でKO。一塁側ベンチでアンビリーバブルとばかりに、表情を失ってぼうぜんとした。

 直後の2回は、野手陣も水を差した。先頭の中田が中前打で、決死の反撃ムードをつくった。1点を返し、なおも1死満塁。ビッグイニングで応戦する機会は静かに終わった。村田、西川が連続の空振り三振で最少得点止まり。ミート力が生命線の中距離打者コンビが、白球を前にも飛ばすこともできない。西川は4回2死一、三塁でも空振り三振。個々が自分を見失えば、ジ・エンドだった。

 好調だった大塚を2番手で投入し、勢いづいた楽天打線相手に炎上。後味の悪さも残った。今季ワーストタイ12失点。栗山監督は「あれだけ点をやってしまったら何もできなくなる」と嘆いた。選手への個人攻撃だけは避けたが、珍しく手厳しかった。今日9日は大谷が先発し仕切り直す。「引きずらないで一生懸命やるしかない」。指揮官だけはいつもネバーギブアップだった。【高山通史】