<巨人5-12阪神>◇11日◇東京ドーム

 8連勝の主役も乗り遅れなかった。阪神ルーキー梅野隆太郎捕手(23)が5点リードの8回に6号ソロを放った。

 チームがお祭り騒ぎの中、梅野だけはそこまで3打数無安打。マウンド上には福岡工大城東の先輩にあたる巨人笠原がいた。「先輩だけに力が入りました。打ってやろうと思っていました」。7球目の甘く入った変化球を左翼席へ。初先発だった巨人戦で初アーチをかけてみせた。笠原には3月10日のオープン戦で抑えこまれていた。「いい感触はありました。オープン戦はやられていたので」。5カ月越しの「先輩撃ち」を遠慮することなく素直に喜んだ。

 試合前練習では、思わぬハプニングに見舞われた。三塁の位置でノックを捕球する際に、芝がひっかかって転んだ。起き上がると右膝を押さえて、手でさすりながら苦しい表情を見せた。影響が心配されたが、元気に初めての巨人戦スタメンマスクを全うした。

 7月に入り、8試合でチームトップタイの4本塁打をマーク。ベンチ前でのハイタッチを終えると、ヘルメットを取りながらスタンドのファンに一礼。その姿も様になってきた。メッセンジャー先発試合で21打数無安打だった不吉データも吹き飛ばす1発。先輩を蹴散らし、前半戦残り5試合に大きな弾みをつけた。

 ▼梅野が巨人戦で本塁打。阪神の新人としては、沖原佳典が01年9月20日(東京ドーム)でメイから打って以来、13年ぶり。